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デジコン編集部 2025.3.5

wavelogyとKDDIが宇都宮市で水道管漏水のAI検知実証を開始。技術者不足と迅速対応の課題解決へ

CONTENTS
  1. 漏水音データ収集の自動化とAI診断により調査効率を4倍に向上、2028年度の実用化を目指す
wavelogyとKDDIは、宇都宮市上下水道局と共同で、AI技術を活用した水道管漏水検知の実証実験を2025年3月1日から開始した

漏水音データ収集の自動化とAI診断により調査効率を4倍に向上、2028年度の実用化を目指す


この実証実験では、wavelogy社が開発したAI漏水検知ツール「SuiDo」の有用性を検証し、漏水調査業務の効率化と人手不足の解消に取り組む。

現在の水道インフラは高度経済成長期に整備されたものが多く、経年劣化による漏水・破損事故が年間2万件以上発生している。

一方で、漏水調査に必要な技術は専門性が高く、人口減少による人手不足のため、技術者の確保・育成・技能の伝承が困難になっている。

また、地震などの自然災害による水道インフラへの損害も大きく、調査・復旧作業における人手不足の解消と効率化が急務となっている。

本実証では、宇都宮市上下水道局の漏水調査エリアにおいて、特定の技術者に依存しない漏水音データの収集技術を検証する。

具体的には、漏水調査を「漏水音の収集」「漏水診断」の2つのプロセスに分け、簡便なツールを用いて漏水音の収集を効率化する。

収集した漏水音データはモバイルネットワークを通じて分析環境へ迅速に伝送され、AIによる解析・漏水診断が行われる。

さらに、専門の漏水調査技術者がAIの診断結果を分析してフィードバックすることで、AIの診断精度の向上を図る。

「SuiDo」システムは、漏水音アップロードデバイス、漏水音共有GISプラットフォーム、漏水診断AIから構成されており、漏水場所の予測とレポートの自動生成が可能である。

この技術の導入により、現在行っている漏水判断の80%をAIに置き換えることで、集音業務は専門知識がなくても実施可能になり、漏水判断業務は現在のリソースで4倍以上の処理能力向上を目指している。

役割分担としては、KDDIが収集した漏水音データ伝送のための通信提供と実証の設計を、宇都宮市上下水道局が漏水調査フィールドの提供と漏水音データの収集、管路情報などの提供を、wavelogyが漏水音データの収集に関する機器提供、データ蓄積・解析、AIアプリの提供を担当する。


参考・画像元:wavelogy株式会社プレスリリースより


WRITTEN by

デジコン編集部

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