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デジコン編集部 2025.3.4

長谷工と燈が国内初のBIM×生成AIシステムを構築。建設現場での設計情報取得をチャット形式で効率化

CONTENTS
  1. マンション特化型の3Dモデルデータに生成AI技術を組み合わせ、設計図書の複雑な情報を瞬時に取得可能なシステムを開発
長谷工コーポレーションと燈は、長谷工版BIMと生成AI技術を融合した新システムを構築し、建設現場における設計図書確認の効率化を実現すると発表した。

マンション特化型の3Dモデルデータに生成AI技術を組み合わせ、設計図書の複雑な情報を瞬時に取得可能なシステムを開発


この新システムは、チャット形式の質問により長谷工版BIM内の設計図書データから必要な情報を瞬時に検索・取得できる画期的な仕組みである。


建設現場向けにBIMデータと生成AI技術を組み合わせたシステム開発は国内初となる。

長谷工コーポレーションはマンションの施工累計戸数71万戸を超える実績と、96.8%という高い設計施工比率を背景に、マンションに特化した独自の3次元建物モデル「長谷工版BIM」を構築している。

2020年度には設計段階、2021年度には施工段階でのBIM導入体制を確立し、マンション建設のデジタル化を推進してきた。

一方で、建設現場の所員が設計図書から必要な技術情報を正確に把握するには習熟が必要で時間を要するという課題があった。

今回の新システムは、この課題を解決するため、長谷工版BIMと燈が持つ生成AI技術(大規模言語モデルシステム)を組み合わせて開発された。


システムの操作画面では、PC画面の左側に長谷工BIMを活用した三次元設計モデルが表示され、右側でチャット形式の質問を入力すると、瞬時に回答を得ることができる。

これにより、複雑な設計図書の中から必要な情報を素早く抽出し、建設現場での作業効率を大幅に向上させることが可能になる。

長谷工コーポレーションでは、すでに昨年からプロトタイプの試験運用を行い、想定通りの運用が可能なことを確認している。

同社は、現在の中期経営計画(NS計画)の重点戦略において、将来に向けた取り組みとしてDXの具現化を進めており、この新システムもその一環として位置づけられている。

今後も長谷工コーポレーションは、マンション事業全体でDXを活用した効率化による生産性の向上と働き方改革の実現を目指すとしている。

建設業界では熟練技術者の高齢化や人手不足が深刻化する中、こうしたAI技術の活用による業務効率化の取り組みが注目されており、今後も同様のシステム開発が加速すると予想される。



参考・画像元:株式会社長谷工コーポレーションプレスリリースより
WRITTEN by

デジコン編集部

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