建設現場で長く用いられているツールが「野帳(やちょう)」。
一説によれば、豊臣秀吉の時代に役人が持っていた「野帳(のちょう)」がルーツとも言われるほど、長い歴史を持っている。
現在は持ち運びに重宝するよう縦長でコンパクトに作られており、屋外での活用を見込んで表紙も硬く、濡れても大丈夫な仕様のものもあり、地質調査や観察にも用いられる、広く活用されている道具なのだ。
その野帳は、建設現場においては測量結果を記録するために欠かせない重要なものだ。
数値だけではなく、測定時の状況や注意点を記録し、作業の進捗状況を把握すると同時に、トラブルを未然に防ぐための検証記録としても役立つ。
現場で野帳を正確に使用することは、測量の品質が向上し、後のデータ処理や設計まで、スムーズに作業を遂行することにつながるのである。
野帳の活用プロセスと、適したフォーマットとは?
野帳には測量が行われた日付や時間、測量を行った人や担当チーム、場所の名称などを記載したうえで、その現場で得られた測量データを即時に手書きで記録していくことが重要だ。
天候や風の状況、測量に影響を与える可能性のあった条件も記すことで、のちのちの正確なデータ整理に役立つ。
現場での記入ポイントを、もう少し詳しく整理しておこう。
まずは測量の基準となる点、海面からの高さが測られている基準点(ベンチマーク=Bench Mark=BM)を記載する。そのうえで、測量する地点(測点)に番号を振っていく。
測点ごとの標高(高低差)、方向や傾斜の測定に必要な水平角や鉛直角、基準点からの距離や角度、方向を記録する。
測定した位置関係や地形、基礎、柱、道路といった測定対象物の形状など、測量結果を補足するデータを記載する。場合によってはスケッチなどの図を書き入れる。
また、地盤の状況や天候といった現場での測量時の注意点や問題点を記入する。
これらのデータを野帳に記録していく。野帳にも、測量方法や目的に適したフォーマットがある。
たとえば、高低を中心に測る水準測量(レベリング)では左ページにデータを記入できるように縦の罫線が引かれ、右ページはフリースペースになっているタイプの野帳が便利だ。
また、角度を中心に計測するトランシット測量では、地図や土地の面積などを求めるため、右ページは角度が記入しやすいレイアウトになっているタイプの野帳が販売されている。
ほかにも全体が方眼紙となっている野帳もあり、それぞれ使いやすいものを選ぶと良いだろう。
以下は、水準測量での野帳記入例。左側に測量で得られた高低のデータを、右側には注意点や図解、メモなどを記入する。
トランシット測量の場合は以下。左側には距離を記入。右側は角度の数値を記入しやすいようなレイアウトとなっている。
いずれにしても、現場で測られたデータは時間の経過で数値の誤記がないよう、野帳に迅速に記入していくことが重要だ。
あくまで現場での一次的な記録ではあるものの、その後のことを考えて、読み返しやすいような記述が求められる。
こうしたさまざまな条件をかんがみて、自分の扱いやすい野帳と筆記具を選んでいくといいだろう。
先にも書いたとおり、野帳に書き入れられた測量データは、その後の現場作業を効率的に進めるための元となる。
よって、記入後のプロセスも重要だ。まず測量終了後にデータを整理し、ミスがないかを確認すること。
野帳は情報を正確に共有するために見返しやすく、誰が見ても内容が明確であることが求められる。
だが手書きの野帳は記入する人間によって、どうしても個人差が出る。
たとえばその結果を元に作業報告書を作成する際に読み取りをミスするなど、ヒューマンエラーが出ることも多い。
また現在、現場を図化するためにはデジタルの力が必要となるが、手書きの野帳からCADや測量ソフトにデータを入力するまでには、いくつもの行程をふまなければならない。
問題を解消するために、近年活用されているのがデジタルデバイスだ。
スマートフォン、タブレットで動作するアプリケーションとして、いくつものサービスが提供されている。
現場で測定したデータから、面積や座標、高低差計算などを自動で実行、手書きの野帳からデジタルへのデータ入力の手間がなくなる。
また、現場や構造物などの写真も取り込むことができ、視覚的な利点も見込める。
さらにはこうしたデータが即時にクラウドにアップロードされるなど、情報連携もスムーズで、DX化が求められる建設現場の効率化に一役買っている。
こうした測量支援アプリの枠を超え、測量自体から一気通貫でDX化を行える高精度なワンマン測量アプリが注目を集めている。
それがOPTiMのワンマン測量アプリ「OPTiM Geo Scan」である。
LiDARセンサー搭載のiPhoneで測量対象をアプリでスキャンすると、センサーとRTK測位(相対測位=Real Time Kinematic)に対応したGNSS(全地球航法衛星システム=Global Navigation Satellite System)レシーバーによって取得された情報を組み合わせ、短時間で3次元点群データを得ることができる。
つまりスマホとGNSSレシーバーがあれば、測量データの取得・共有といったプロセスがクリアできてしまうのである。
そのデータはGeo Scanの別機能「OPTiM Geo Design」で、取得した座標を地図上に表示し、任意の点と点を選択すれば平面・縦横断図を作成することが可能だ。
加えて「面積計算アプリ」とも連携しており、同じく連携アプリ「OPTiM Geo Point」などで計測された3点以上の座標データがあれば現場の表面積を算出できる。
これまで現場の表面積を計算するには測量を行い、野帳に記録し、計算ソフトやCADに入力する行程が必要だった。
だが、「OPTiM Geo Scan」であればスマホで「OPTiM Geo Point」と「面積計算アプリ」だけでOK。
OPTiMによれば従来手法と比較して、作業時間を92%削減できるという。国土交通省のICT普及促進ワーキンググループが定めた出来形管理要領に準拠しているため、その精度は高い。
必要以上のコストをかけずにICT測量のメリットが享受でき、わかりやすく使いやすいUIで現場導入へのハードルも低い。
簡単かつ高精度で、測量から管理までまかなえる一気通貫のサービスに注目が集まっている。
一説によれば、豊臣秀吉の時代に役人が持っていた「野帳(のちょう)」がルーツとも言われるほど、長い歴史を持っている。
現在は持ち運びに重宝するよう縦長でコンパクトに作られており、屋外での活用を見込んで表紙も硬く、濡れても大丈夫な仕様のものもあり、地質調査や観察にも用いられる、広く活用されている道具なのだ。
その野帳は、建設現場においては測量結果を記録するために欠かせない重要なものだ。
数値だけではなく、測定時の状況や注意点を記録し、作業の進捗状況を把握すると同時に、トラブルを未然に防ぐための検証記録としても役立つ。
現場で野帳を正確に使用することは、測量の品質が向上し、後のデータ処理や設計まで、スムーズに作業を遂行することにつながるのである。
野帳の活用プロセスと、適したフォーマットとは?
野帳には測量が行われた日付や時間、測量を行った人や担当チーム、場所の名称などを記載したうえで、その現場で得られた測量データを即時に手書きで記録していくことが重要だ。天候や風の状況、測量に影響を与える可能性のあった条件も記すことで、のちのちの正確なデータ整理に役立つ。
現場での記入ポイントを、もう少し詳しく整理しておこう。
① 測点の記録
まずは測量の基準となる点、海面からの高さが測られている基準点(ベンチマーク=Bench Mark=BM)を記載する。そのうえで、測量する地点(測点)に番号を振っていく。
② 測定データの記録
測点ごとの標高(高低差)、方向や傾斜の測定に必要な水平角や鉛直角、基準点からの距離や角度、方向を記録する。
③ その他データの記録
測定した位置関係や地形、基礎、柱、道路といった測定対象物の形状など、測量結果を補足するデータを記載する。場合によってはスケッチなどの図を書き入れる。
また、地盤の状況や天候といった現場での測量時の注意点や問題点を記入する。
これらのデータを野帳に記録していく。野帳にも、測量方法や目的に適したフォーマットがある。
たとえば、高低を中心に測る水準測量(レベリング)では左ページにデータを記入できるように縦の罫線が引かれ、右ページはフリースペースになっているタイプの野帳が便利だ。
また、角度を中心に計測するトランシット測量では、地図や土地の面積などを求めるため、右ページは角度が記入しやすいレイアウトになっているタイプの野帳が販売されている。
ほかにも全体が方眼紙となっている野帳もあり、それぞれ使いやすいものを選ぶと良いだろう。
以下は、水準測量での野帳記入例。左側に測量で得られた高低のデータを、右側には注意点や図解、メモなどを記入する。
トランシット測量の場合は以下。左側には距離を記入。右側は角度の数値を記入しやすいようなレイアウトとなっている。
いずれにしても、現場で測られたデータは時間の経過で数値の誤記がないよう、野帳に迅速に記入していくことが重要だ。
あくまで現場での一次的な記録ではあるものの、その後のことを考えて、読み返しやすいような記述が求められる。
こうしたさまざまな条件をかんがみて、自分の扱いやすい野帳と筆記具を選んでいくといいだろう。
野帳いらず!高精度なワンマン測量アプリ「OPTiM Geo Scan」
先にも書いたとおり、野帳に書き入れられた測量データは、その後の現場作業を効率的に進めるための元となる。
よって、記入後のプロセスも重要だ。まず測量終了後にデータを整理し、ミスがないかを確認すること。
野帳は情報を正確に共有するために見返しやすく、誰が見ても内容が明確であることが求められる。
だが手書きの野帳は記入する人間によって、どうしても個人差が出る。
たとえばその結果を元に作業報告書を作成する際に読み取りをミスするなど、ヒューマンエラーが出ることも多い。
また現在、現場を図化するためにはデジタルの力が必要となるが、手書きの野帳からCADや測量ソフトにデータを入力するまでには、いくつもの行程をふまなければならない。
問題を解消するために、近年活用されているのがデジタルデバイスだ。
スマートフォン、タブレットで動作するアプリケーションとして、いくつものサービスが提供されている。
現場で測定したデータから、面積や座標、高低差計算などを自動で実行、手書きの野帳からデジタルへのデータ入力の手間がなくなる。
また、現場や構造物などの写真も取り込むことができ、視覚的な利点も見込める。
さらにはこうしたデータが即時にクラウドにアップロードされるなど、情報連携もスムーズで、DX化が求められる建設現場の効率化に一役買っている。
こうした測量支援アプリの枠を超え、測量自体から一気通貫でDX化を行える高精度なワンマン測量アプリが注目を集めている。
それがOPTiMのワンマン測量アプリ「OPTiM Geo Scan」である。
LiDARセンサー搭載のiPhoneで測量対象をアプリでスキャンすると、センサーとRTK測位(相対測位=Real Time Kinematic)に対応したGNSS(全地球航法衛星システム=Global Navigation Satellite System)レシーバーによって取得された情報を組み合わせ、短時間で3次元点群データを得ることができる。
つまりスマホとGNSSレシーバーがあれば、測量データの取得・共有といったプロセスがクリアできてしまうのである。
そのデータはGeo Scanの別機能「OPTiM Geo Design」で、取得した座標を地図上に表示し、任意の点と点を選択すれば平面・縦横断図を作成することが可能だ。
加えて「面積計算アプリ」とも連携しており、同じく連携アプリ「OPTiM Geo Point」などで計測された3点以上の座標データがあれば現場の表面積を算出できる。
これまで現場の表面積を計算するには測量を行い、野帳に記録し、計算ソフトやCADに入力する行程が必要だった。
だが、「OPTiM Geo Scan」であればスマホで「OPTiM Geo Point」と「面積計算アプリ」だけでOK。
OPTiMによれば従来手法と比較して、作業時間を92%削減できるという。国土交通省のICT普及促進ワーキンググループが定めた出来形管理要領に準拠しているため、その精度は高い。
必要以上のコストをかけずにICT測量のメリットが享受でき、わかりやすく使いやすいUIで現場導入へのハードルも低い。
簡単かつ高精度で、測量から管理までまかなえる一気通貫のサービスに注目が集まっている。
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