コンクリート・モルタル・セメントの違いを解説！

土木、建設業界で日々使用されるコンクリート、モルタル、セメント。

これらの材料は外見が似ているため混同されやすいが、それぞれに異なる特徴と用途を持っている。本記事では、これら3つの建設材料について、基礎知識を解説していく。

全ての基礎となるセメント。水と反応して固まる特殊な粉末

セメントは石灰石と粘土を主原料とし、これらを高温で焼成して作られる灰色の粉末である。


最も一般的な「ポルトランドセメント」は、原料を1450度で焼いて作る「クリンカ」に石膏を加えて粉末化したものだ。

水と反応すると化学変化を起こして固まる「水硬性」と、材料を接着する「接着性」という2つの重要な性質を持つ。

セメントは単体で使用されることは少なく、コンクリートやモルタルの原材料として使われる。

建物を支えるコンクリート。4つの材料が生み出す高い強度

コンクリートは、セメント、水、砂（細骨材）、砂利（粗骨材）を混合して作られる。


特に砂利（粗骨材）が骨格となり、高い圧縮強度を実現する。この強度があるからこそ、建物の構造体として使用できる。

一方で、引っ張る力には弱いという特徴があり、この欠点を補うために鉄筋を入れた「鉄筋コンクリート」が一般的となっている。

柱や梁、基礎など、建物の重要な構造部分に使用される。

仕上げ材の代表格モルタル。柔軟性を活かした多彩な用途

モルタルは、セメント、水、砂（細骨材）を混ぜ合わせた材料で、コンクリートと違って砂利は含まれない。

砂利を含まないため柔軟性があり、壁の左官仕上げやタイル張りの下地材として広く使用される。

装飾性が高く、色付けも可能なため、意匠性を重視する箇所での使用に適している。

ただし、強度はコンクリートより劣るため、構造体には向かない。

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