NECが人工衛星とAIで水管橋を点検。無償データで高精度な監視を実現

NECは札幌市水道局と共同で、無償の人工衛星画像とAIを組み合わせた水管橋の異常点検技術の実証実験に成功した。

高精度な点検を低コストで実現

実験は2024年6月から9月にかけて、全長234メートルの豊平川第2水管橋で実施された。

本技術により、水管橋の鉛直変位および橋軸変位を誤差5ミリメートル程度という高精度で計測することに成功した。

さらに、3ミリメートル以上の垂れ下がりを検知できることも確認された。

従来技術との比較と優位性

現在、全国72万の橋梁で5年に1度の定期点検が義務付けられているが、点検員不足や費用増加が課題となっている。

ドローンによる点検も検討されているものの、熟練操縦者の確保と高額な作業費用が問題視されていた。

これに対し、NECの新技術は12日間隔で観測される無償の衛星画像を活用し、2016年以降の8年分のデータを分析できる。

本技術は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムの一環として開発された。


参考・画像元：日本電気株式会社プレスリリースより