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デジコン編集部 2024.10.9

NTT、画像認識AIで鋼材の腐食深さ推定を可能に。実証実験を開始

CONTENTS
  1. 画像認識AIで鋼材の腐食を自動検出
  2. 点検作業の効率化と維持管理コストの削減へ
  3. 実用化に向けた課題
NTTグループは、道路橋の点検作業にAIとドローンを組み合わせた新技術の実証実験を開始した。

画像認識AIで鋼材の腐食を自動検出


実証実験は、NTTとNTT e-Drone Technologyが、埼玉県熊谷市の協力のもと、同市内の道路橋で2024年9月2日より開始された。

実験では、ドローンで撮影した道路橋の画像を画像認識AIが分析し、鋼材の腐食を自動的に検出する。

さらに、AIは検出した腐食の深さ(鋼材断面の欠損量)まで推定することが可能だ。

これにより、現在は検査員が超音波装置を用いて行っている腐食箇所の鋼材厚計測を、画像撮影で代替できる可能性が高まる。

点検作業の効率化と維持管理コストの削減へ


この新技術の導入により、点検作業の大幅な効率化が期待される。

特に大型の道路橋点検時に必要となる足場設置などのコスト削減効果は大きいと見込まれている。

また、AIによる自動検出・推定により、設備の腐食箇所の把握と鋼材厚の計測が簡単かつ低コストで実現できる。

NTTグループの担当者は、「この技術が実用化されれば、道路橋の維持管理コストを大幅に縮減できる可能性がある」と語る。

実用化に向けた課題


実証実験では、ドローンと道路橋の撮影距離によって生じる画像の解像度の違いが、AIの腐食深さ推定精度に与える影響を検証する。

NTTグループは、様々な解像度の画像からも高精度に腐食深さを推定できるようAIをカスタマイズする計画だ。

さらに、腐食深さの推定精度と画像解像度の関係性を明らかにし、実用化時のドローン撮影条件(撮影距離・撮影機材等)を確立することを目指している。

この技術の開発は、国土交通省が推進する道路橋点検の効率化施策にも合致しており、今後の展開が注目される。


参考・画像元:NTTプレスリリースより
WRITTEN by

デジコン編集部

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