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デジコン編集部 2024.9.19

芝浦工大、AI活用した「地盤沈下・液状化のリアルタイム予測システム」を開発

CONTENTS
  1. 革新的な3D地盤マッピング技術
  2. 建設プロジェクトのリスク管理を革新
  3. デジタルツインへの応用可能性
  4. 今後の展望:モバイルアプリケーションの開発へ
芝浦工業大学の研究チームが、AIと最新の地盤工学技術を組み合わせた画期的なシステムを開発した。

このシステムは、地震による地盤沈下と液状化をリアルタイムで予測し、建設プロジェクトのリスク管理を大幅に向上させる可能性を秘めている。

革新的な3D地盤マッピング技術


研究チームは、東京都世田谷区内433地点の詳細な地盤データを収集し、AIを用いて解析。これにより、広範囲にわたる支持層の分布を示す3次元マップの作成に成功した。この技術は、従来の限定的なサンプリング手法の限界を克服し、建設業界に新たな指標を提供する。

建設プロジェクトのリスク管理を革新


このシステムの最大の特徴は、リアルタイムでの地盤状態予測能力だ。センサーからのデータをAIが即座に解析することで、地盤の変化を継続的に監視。これにより、建設現場での意思決定の迅速化と、より精緻なリスク管理が可能となる。

デジタルツインへの応用可能性


本システムは、建設現場のデジタルツイン技術との親和性が高い。リアルタイムデータと3D地盤マップを組み合わせることで、仮想空間上での詳細なシミュレーションが可能となり、施工計画の最適化や災害対策の強化につながる。

稲積真哉教授は、「本システムは、建設業界のデジタルトランスフォーメーションを加速させる重要な要素技術となる」と語る。AI、IoT、ビッグデータを統合したこのアプローチは、スマートシティ構想の実現にも大きく貢献すると期待されている。

今後の展望:モバイルアプリケーションの開発へ


研究チームは、この技術を基にしたモバイルアプリケーションの開発も視野に入れている。これが実現すれば、建設作業員や現場監督が、スマートフォンを通じてリアルタイムの地盤データにアクセスできるようになる。

本技術の実用化は、建設プロジェクトの安全性向上とコスト削減に大きく寄与すると考えられる。特に、地震リスクの高い日本において、都市開発や大規模インフラ整備の在り方を根本から変える可能性を秘めている。

建設業界のデジタル化が急速に進む中、このようなAIを活用した先進的な取り組みは、業界の未来を形作る重要な一歩となるだろう。


参考・画像元:芝浦工業大学
WRITTEN by

デジコン編集部

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