行政・政策
デジコン編集部 2024.9.18

国交省、【令和5年度末】建設関連業の登録状況を発表!〜 測量業20年連続減少、建設コンサルタントと地質調査業は横ばい 〜

CONTENTS
  1. 測量業:20年連続の減少傾向
  2. 建設コンサルタント:微増ながら横ばい傾向
  3. 地質調査業:微減ながら横ばい傾向
  4. 資本金階層別の傾向
  5. 地域別の分布状況
  6. 業種間の兼業状況
  7. 建設コンサルタントの登録部門と技術者の状況
  8. まとめ
国土交通省が発表した令和5年度末(2024年3月末)の建設関連業登録業者の状況によると、測量業の登録業者数が20年連続で減少する一方、建設コンサルタントと地質調査業はほぼ横ばいとなった。この結果は、建設業界の構造変化と人材不足の深刻化を示唆している。

測量業:20年連続の減少傾向


測量業の登録業者数は11,313業者となり、前年度比で164業者(1.4%)減少した。

平成15年(2003年)のピーク時(14,750業者)から3,437業者(23%)減少しており、20年連続での減少となった。新規登録は267業者あったものの、431業者が登録を消除している。

この長期的な減少傾向の背景には、測量技術のデジタル化や自動化の進展、公共事業の減少、そして後継者不足などの要因が考えられる。

建設コンサルタント:微増ながら横ばい傾向


建設コンサルタントの登録業者数は3,932業者で、前年度比1業者(0.03%)増とほぼ横ばいとなった。

平成17年(2005年)のピーク時(4,214業者)と比較すると282業者(6.7%)減少しているものの、近年は比較的安定した状態を保っている。

新規登録(233業者)と登録消除(232業者)がほぼ同数であることから、業界全体としては一定の新陳代謝が行われていると見られる。

地質調査業:微減ながら横ばい傾向


地質調査業の登録業者数は1,230業者で、前年度比27業者(2.1%)減少した。平成17年(2005年)のピーク時(1,390業者)と比較すると160業者(11.5%)減少しているが、近年は大きな変動は見られない。

新規登録(12業者)に対し、登録消除(39業者)が上回っており、業界の縮小傾向が続いていることがうかがえる。

資本金階層別の傾向


3業種とも、資本金1,000万円以上2,000万円未満の企業が最も多く、次いで2,000万円以上5,000万円未満の企業が続く。中小企業が業界の大半を占める構造は変わっていない。

特筆すべきは、測量業において個人事業主の割合が8.8%と比較的高いことだ。一方、建設コンサルタントと地質調査業では個人事業主の割合は1%未満にとどまっている。

地域別の分布状況


3業種とも、東京都、北海道、大阪府、福岡県に登録業者が集中している傾向が見られる。特に建設コンサルタントは、東京都に全体の17.3%が集中しており、地域間格差が顕著である。


業種間の兼業状況


測量業者の73.9%が測量業専業であるのに対し、建設コンサルタントは73.5%が測量業との兼業となっている。地質調査業では62.8%が3業種兼業(測量業、建設コンサルタント、地質調査業)となっており、業種間の連携が進んでいることがわかる。


建設コンサルタントの登録部門と技術者の状況


建設コンサルタントの登録部門では、道路部門(44.3%)、鋼構造及びコンクリート部門(34.4%)、河川・砂防及び海岸・海洋部門(30.7%)の順に登録が多い。

技術管理者の85.9%が技術士または一級建築士であり、残りの14.1%が国土交通大臣認定者となっている。大臣認定者の割合が高い部門は、河川・砂防及び海岸・海洋部門(24.8%)、農業土木部門(22.0%)、道路部門(20.4%)となっている。

まとめ


建設関連業の登録状況は、測量業の継続的な減少傾向が顕著である一方、建設コンサルタントと地質調査業は比較的安定した状態を保っている。しかし、新規参入の低迷や後継者不足など、業界全体の課題は依然として残されている。




参考・画像元:国交省プレスリリース
WRITTEN by

デジコン編集部

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