コラム・特集
デジコン編集部 2024.7.18

「三和建設(大阪府)」が建設現場にかき氷ステーションを設置!熱中症対策を強化 ~ 身体を効率よく冷却するアイススラリーの効果も~

CONTENTS
  1. かき氷ステーション設置の背景は?
  2. 熱中症予防ゼリーやウェアラブルデバイスも配布
記録的な猛暑日が続く中、三和建設(大阪市淀川区)は、炎天下で働く作業員の熱中症対策として、今年も「かき氷ステーション」を導入した。

今年初めて全国で40℃を記録した静岡をはじめ、各地で災害級の暑さが続いており、熱中症対策のさらなる強化が急務となっている。

2024年7月8日に行われた日本救急医学会のオンライン記者会見では、熱中症の重症度を従来の3段階から4段階へ改定し、重症の中でもさらに注意が必要な「最重症」を新たに設けられた。

これは、近年における猛暑化による熱中症患者の増加と重症化を受け、より適切な医療体制の構築を図るための措置だ。

かき氷ステーション設置の背景は?


三和建設のかき氷ステーションは「作業員たちの負担を軽減したい!」と考える所長の発案から始まったという。

約10年前、出勤前にコンビニエンスストアで氷を買う職人たちの様子に当時の現場所長が気づいた。


「製氷機を現場に設置したらみんなの負担が軽くなり、喜ばれるのは?」と考え、製氷機の導入を決定した。

やがて「製氷機があるならかき氷もできるのでは?」と現場に目を向けたことがキッカケとなり、かき氷機も設置。

今や、作業員たちにも毎年好評で、かき氷ステーションは三和建設の夏の風物詩となっている。

2024年7月、茨城県内の危険物倉庫建設現場では、1日に約100人の職人が出入り。設置開始より10日間で約500Kgの氷を消費したが、氷不足が頻発し、現場所長は製氷機の追加設置を決定したという。

かき氷作りは1人ずつ行うため、待ち時間も生じる中で「何味にしますか?」なと、職種を超えた交流も見られる。

人気のシロップはブルーハワイ。昨年の岡山現場ではイチゴ。最近では全種類を混ぜ合わせた「ミックス」が人気になるなど、各現場ならではのユニークなカルチャーが育まれているのもポイントだ。


医師医療法人友広会 理事長 日本医師会認定産業医松島 勇介氏は「かき氷は涼をとるだけでなく、「アイススラリー」の効果も期待できます。アイススラリーとは、細かい氷の粒子が液体に分散した飲料で、通常の氷よりも結晶が小さく、流動性が高いことから、体の内部を効率よく短時間で冷却できると言われています。」

「近年、運動前に一時的に深部体温を下げる「プレクーリング」という概念が提唱されており、その方法としてアイススラリーが活用されています。」とコメント。

熱中症予防ゼリーやウェアラブルデバイスも配布


同社では、かき氷ステーション以外にも、熱中症予防ゼリー「ゼネコンがつくったしおゼリー」の企画・販売や、深部体温を図るウェアラブルデバイスの全作業員への配布など、多角的な熱中症対策を実施している。


ゼネコンがつくったしおゼリーとは、塩分を接取しやすいゼリータイプになっている。

熱中症予防のためには水分だけでなく適切な塩分補給も必要であることはよく知られているが、従来型の塩分補給食品は猛暑下において接取しにくいという課題があった。

実際の作業環境を体感しているゼネコンだからこそ効率よく塩分を摂取しやすい商品が生まれた。

2020年に自社向けに商品化、その後、外部からの販売希望が殺到したことから、2021年より一般販売をスタート。3年間で累計100万本を販売した人気商品だ。




参考・画像元:三和建設プレスリリース
WRITTEN by

デジコン編集部

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