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デジコン編集部 2024.7.10

コンクリート構造物の劣化を継続監視する技術を共同開発。ニコン・トリンブルと八千代エンジニヤリング

ニコン・トリンブルと八千代エンジニヤリングは、AIを活用しコンクリート構造物のひび割れ等の劣化状況の継続監視をする「劣化の進行評価技術」を共同開発した。

本技術で、橋梁などのコンクリート構造物の異なる2つの点検時期の撮影画像から、ひび割れなどの劣化進行がAIにより可視化され、角落ちなどの異常検知ができる。

橋梁などの道路構造物は5年に1度の定期点検が義務付けられている。

その点検は肉眼による近接目視を中心に実施されており、損傷図の作成や、過年度の点検結果との比較による劣化の進行把握などは人的に行う必要があった。

現在、AIによる損傷検知や損傷図の作成システムなどは活用され始めてはいるが、劣化の進行評価では、人的作業ゆえに見落としや進行状況の判断ミスなどが起こりえる状況がある。

両社は、劣化診断(劣化の進行評価)を人の手によらずに定量的・適切に分析・評価することを目指して本技術の開発に着手。


(1)ひび割れ同士を重ね合わせて進展評価をすることは、上に記載した課題をクリアするための計算量の増加が生じるため、メッシュ単位で区切った領域単位でひび割れ面積を計測することにより、領域ごとの劣化の進展度合いを評価する。

(2)メッシュ解析は細かく区切った部分領域に対して行い、コンクリート構造物全体はひび割れ幅ごとの総長(ヒストグラム)で評価する。

ドローン搭載のカメラを含むデジタルカメラで撮影したコンクリート構造物の画像から、AIと画像処理技術を用いてひびわれ損傷箇所とその大きさを定量的に把握し、ひびわれ損傷の劣化進行具合を画像と数値で視覚化する。

肉眼などによる確認、過去の損傷図との比較など現行の属人的な作業がデジタル化され、インフラ維持管理の高度化・効率化が可能する。

両社は、本技術実装に向け、2024年度は技術検証を拡大していく。


参考・画像元:ニコン・トリンブルプレスリリース
WRITTEN by

デジコン編集部

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