- インボイス制度導入前に確定申告にかけていた時間、29.1%が「10時間未満」、22.3%が「20時間以上」と二極化する結果に
- インボイス制度導入後の確定申告について、64.0%が「以前よりも時間がかかった」と回答
- 今年の確定申告の実施方法、「全て一人で行った」が43.7%で最多
- 42.7%が、確定申告のために「会計ソフト」を利用
- 約7割が、「インボイス制度によって、確定申告の業務が煩雑になった」と実感
- インボイス制度で煩雑になった確定申告業務、第1位「提出書類の作成」
- 「月次の書類の項目が増えた」や「売上高の区分分け」などの声も
- 70.9%から、「確定申告に関するサポートや情報がもっとあれば役立つ」と期待の声
労災センター共済会は、インボイス制度を受けて課税対象になった、2023年分の確定申告済みの建設業の一人親方103名を対象に、一人親方の確定申告に関する実態調査を実施した。
「Q1.インボイス制度導入前、あなたが確定申告にかけていた時間を教えてください。」(n=103)と質問したところ、「10時間未満」が29.1%、「20時間以上」が22.3%、「10~12時間」が10.7%という回答となった。
「Q2.インボイス制度導入後、初めて確定申告を行い、以前と比較して確定申告のためにかける時間はどの程度変化しましたか。」(n=103)と質問したところ、「1~3時間増加した」が20.4%、「5時間以上増加した」が18.4%、「0~1時間増加した」が15.5%という回答に。
「Q3.あなたが今年、確定申告を行った方法を教えてください。」(n=103)と質問したところ、「全て一人で行った」が43.7%、「税理士に依頼した」が31.1%、「税務署・税理士会・商工会議所などに相談して行った」が15.5%という回答となった。
「Q4.あなたが、確定申告のために利用しているツールを教えてください。」(n=103)と質問したところ、「会計ソフト」が42.7%、「手書きの記録」が21.4%という回答となりった。
「Q5.あなたは、インボイス制度によって、確定申告の業務が煩雑になったと感じますか。」(n=103)と質問したところ、「非常にそう感じる」が44.6%、「ややそう感じる」が24.3%という回答となった。
Q5で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方に、「Q6.インボイス制度によって煩雑になった確定申告の業務を教えてください。(複数回答)」(n=71)と質問したところ、「提出書類の作成」が67.6%、「領収書や請求書の保管」が52.1%、「消費税の計算」が52.1%という回答に。
Q6で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.Q6で回答した以外に、インボイス制度を受けて煩雑になった確定申告の業務があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=70)と質問したところ、「月次の書類の項目が増えて大変になった」や「売上高の区分分け」など39の回答を得た。
<自由回答・一部抜粋>
「Q8.あなたは、確定申告に関するサポートや情報がもっとあれば役立つと思いますか。」(n=103)と質問したところ、「非常に思う」が35.0%、「やや思う」が35.9%という回答に。
今回の調査で、インボイス制度導入により、一人親方にとって確定申告の業務が煩雑になったことが明らかになった。
多くの一人親方が、確定申告の負担が増えたことに頭を悩ませており、適切な支援や情報提供の必要性が浮き彫りになっている。
インボイス制度導入に伴う影響を実感している現場の声をくみ取り、今後の支援策を拡充していくことが求められているのではないか。
出典元: 労災センター共済会プレスリリース/https://hitorioyakata.or.jp/
■調査概要
- 調査概要:一人親方の確定申告に関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2024年3月7日〜同年3月8日
- 有効回答:インボイス制度を受けて課税対象になった、2023年分の確定申告済みの建設業の一人親方103名
インボイス制度導入前に確定申告にかけていた時間、29.1%が「10時間未満」、22.3%が「20時間以上」と二極化する結果に
「Q1.インボイス制度導入前、あなたが確定申告にかけていた時間を教えてください。」(n=103)と質問したところ、「10時間未満」が29.1%、「20時間以上」が22.3%、「10~12時間」が10.7%という回答となった。
インボイス制度導入後の確定申告について、64.0%が「以前よりも時間がかかった」と回答
「Q2.インボイス制度導入後、初めて確定申告を行い、以前と比較して確定申告のためにかける時間はどの程度変化しましたか。」(n=103)と質問したところ、「1~3時間増加した」が20.4%、「5時間以上増加した」が18.4%、「0~1時間増加した」が15.5%という回答に。
今年の確定申告の実施方法、「全て一人で行った」が43.7%で最多
「Q3.あなたが今年、確定申告を行った方法を教えてください。」(n=103)と質問したところ、「全て一人で行った」が43.7%、「税理士に依頼した」が31.1%、「税務署・税理士会・商工会議所などに相談して行った」が15.5%という回答となった。
42.7%が、確定申告のために「会計ソフト」を利用
「Q4.あなたが、確定申告のために利用しているツールを教えてください。」(n=103)と質問したところ、「会計ソフト」が42.7%、「手書きの記録」が21.4%という回答となりった。
約7割が、「インボイス制度によって、確定申告の業務が煩雑になった」と実感
「Q5.あなたは、インボイス制度によって、確定申告の業務が煩雑になったと感じますか。」(n=103)と質問したところ、「非常にそう感じる」が44.6%、「ややそう感じる」が24.3%という回答となった。
インボイス制度で煩雑になった確定申告業務、第1位「提出書類の作成」
Q5で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方に、「Q6.インボイス制度によって煩雑になった確定申告の業務を教えてください。(複数回答)」(n=71)と質問したところ、「提出書類の作成」が67.6%、「領収書や請求書の保管」が52.1%、「消費税の計算」が52.1%という回答に。
「月次の書類の項目が増えた」や「売上高の区分分け」などの声も
Q6で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q7.Q6で回答した以外に、インボイス制度を受けて煩雑になった確定申告の業務があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=70)と質問したところ、「月次の書類の項目が増えて大変になった」や「売上高の区分分け」など39の回答を得た。
<自由回答・一部抜粋>
- 60歳:売上高の区分分け。
- 53歳:消費税込みの売上、消費税抜きの売上、どちらで申告するか等わからない部分がある。
- 46歳:入力が増えた。
- 54歳:書類の複雑化。
- 43歳:月次の書類の項目が増えて大変になった。
- 56歳:税率ごとにいちいち請求する項目を変えたり、申告する時には個別に計算しなければならず、非常に煩わしく思う。
- 39歳:インボイス番号の入力、領収書の確認作業。
70.9%から、「確定申告に関するサポートや情報がもっとあれば役立つ」と期待の声
「Q8.あなたは、確定申告に関するサポートや情報がもっとあれば役立つと思いますか。」(n=103)と質問したところ、「非常に思う」が35.0%、「やや思う」が35.9%という回答に。
まとめ
今回の調査で、インボイス制度導入により、一人親方にとって確定申告の業務が煩雑になったことが明らかになった。
多くの一人親方が、確定申告の負担が増えたことに頭を悩ませており、適切な支援や情報提供の必要性が浮き彫りになっている。
インボイス制度導入に伴う影響を実感している現場の声をくみ取り、今後の支援策を拡充していくことが求められているのではないか。
出典元: 労災センター共済会プレスリリース/https://hitorioyakata.or.jp/
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