建設現場における省力化を目指すプロジェクト「非衛星測位環境下におけるUAV計測及びAPIによる現場計測の省人化技術」が、株式会社Landlog(以下、ランドログ)を中心に、株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(以下、JIW社)、株式会社オプティム(以下、オプティム)、RECONSTRUCT INC.(以下、RECONSTRUCT)の4社でのコンソーシアムにより、国土交通省 関東地方整備局からの委託業務として進められている。
これはUAV(ドローン)の自律飛行技術や、計測データのクラウド連携、そして点群生成自動化技術を活用することで、現場作業の効率化、省人化、そして低コスト化するための試みだ。
解決すべき目標として焦点を当てているのは、「点群モデル作成の時間的コスト」「担い手不足の減少」であり、建設現場ではこの2点を解消するためには無人化、省人化技術の活用を推し進めていく必要がある。
GNSS電波を受信できない環境下でもUAVを安全に自律飛行させる技術を用いて空撮を行うことで、トンネルや橋梁工事などでのデータ取得作業が効率化される。
期待される効果は現場巡視時間が1/3ほどに短縮できるとしており、実際に現場で活用されれば大幅な省力化につながるだろう。
今回プロジェクトに採用したUAVは合計6個の魚眼レンズを搭載しており、自ら判断して障害物を避けて飛行することができることが特徴。試行飛行では衛星電波の届かない屋内で障害物を自動で回避しながら飛行して画像を取得した。
UAVなどから得た情報をAPI(分断されたアプリケーションを繋ぎ円滑なデータ共有をする仕組み)を通じてクラウドに集約。そのデータから点群モデルを作成し、またクラウドに集約する。そうすることで一貫したデータ管理と、リアルタイムでの情報共有が可能となる。
データをクラウドにアップすると、RECONSTRUCTによって自動で点群化が行われる。
今回、UAVからは画像、OPTiMが提供する遠隔作業支援ツール「Optimal Second Sight」からは動画が送られた。
遠隔支援ツールから、自動で画像をアップロードする機能も開発。
このシステムによって、打ち合わせ時間を30%削減、点群モデル作成にかかる時間が大幅に短縮、さらに4D工程管理システムと連携することで、工程状況把握にかかる時間も短縮される。
JIW:UAVサービスの提供。非衛星環境下での航行技術、写真データの取得・提供
オプティム:データ連携技術・API技術・遠隔作業支援ツール、動画データの提供
RECONSTRUCT:写真データなどから点群化するsfm技術の提供。4D工程管理アプリケーションの提供
ランドログ:クラウドプラットフォームの提供。アプリケーションの連携技術の提供。プロジェクトの全体を管理
画像データから点群化、クラウドの確認までを自動化
JIWが空撮した画像データやオプティムが取得した動画データを、APIを通じてクラウドプラットフォームにアップロード。そしてまたAPIを通じてRECONSTRUCTにアップロードし、そのデータを点群化した上で、クラウドプラットフォームにアップロードするという流れだ。クラウドプラットフォームを中心にデータ共有することで、4D工程管理アプリケーションによる効率化、多様なシステムとのデータ連携が可能になる。
>>[ 1 時間巡視/日→20 分/日に短縮 ]
>>[ 従来5 日→1 日に短縮 ]
>>[ 取得データの処理時間短縮 従来1日→今回2時間 ]
>> [ sfm 処理後データの共有に掛かる時間短縮 従来4日→今回6時間 ]
>>[ 打合せ回数30%削減 ]
>>[ 従来5 日後→1 日後に把握 ]
>>[ sfm 処理後データの共有に掛かる時間短縮 従来5日→今回8時間 ]
今回の取組みによって、目標としていた省人化、省力化、コスト削減等の効果が見込めることがわかった。ランドログ、JIW、オプティム、RECONSTRUCTの各社がそれぞれの技術を提供し合い、今後はよりスムーズなシステム連携を強化していき、さらなる削減効果を達成し、建設土木業界の長年の課題を解決していく狙いだ。
これはUAV(ドローン)の自律飛行技術や、計測データのクラウド連携、そして点群生成自動化技術を活用することで、現場作業の効率化、省人化、そして低コスト化するための試みだ。
問題解決のためのふたつのソリューション
解決すべき目標として焦点を当てているのは、「点群モデル作成の時間的コスト」「担い手不足の減少」であり、建設現場ではこの2点を解消するためには無人化、省人化技術の活用を推し進めていく必要がある。
ソリューション1
「GNSS(衛星測位システム)が取得できない状況下でのUAVによる計測」
GNSS電波を受信できない環境下でもUAVを安全に自律飛行させる技術を用いて空撮を行うことで、トンネルや橋梁工事などでのデータ取得作業が効率化される。
期待される効果は現場巡視時間が1/3ほどに短縮できるとしており、実際に現場で活用されれば大幅な省力化につながるだろう。
今回プロジェクトに採用したUAVは合計6個の魚眼レンズを搭載しており、自ら判断して障害物を避けて飛行することができることが特徴。試行飛行では衛星電波の届かない屋内で障害物を自動で回避しながら飛行して画像を取得した。
ソリューション2
「API活用によるクラウド連携・共有」
UAVなどから得た情報をAPI(分断されたアプリケーションを繋ぎ円滑なデータ共有をする仕組み)を通じてクラウドに集約。そのデータから点群モデルを作成し、またクラウドに集約する。そうすることで一貫したデータ管理と、リアルタイムでの情報共有が可能となる。
データをクラウドにアップすると、RECONSTRUCTによって自動で点群化が行われる。
今回、UAVからは画像、OPTiMが提供する遠隔作業支援ツール「Optimal Second Sight」からは動画が送られた。
遠隔支援ツールから、自動で画像をアップロードする機能も開発。
このシステムによって、打ち合わせ時間を30%削減、点群モデル作成にかかる時間が大幅に短縮、さらに4D工程管理システムと連携することで、工程状況把握にかかる時間も短縮される。
コンソーシアムでの各社の役割
JIW:UAVサービスの提供。非衛星環境下での航行技術、写真データの取得・提供
オプティム:データ連携技術・API技術・遠隔作業支援ツール、動画データの提供
RECONSTRUCT:写真データなどから点群化するsfm技術の提供。4D工程管理アプリケーションの提供
ランドログ:クラウドプラットフォームの提供。アプリケーションの連携技術の提供。プロジェクトの全体を管理
画像データから点群化、クラウドの確認までを自動化
- 非衛星測位環境下におけるUAVの自律飛行(障害物を避けて)
- UAVで撮影した情報をAPIを活用しクラウドに自動連携・集約
- 取得したデータを自動で点群化
JIWが空撮した画像データやオプティムが取得した動画データを、APIを通じてクラウドプラットフォームにアップロード。そしてまたAPIを通じてRECONSTRUCTにアップロードし、そのデータを点群化した上で、クラウドプラットフォームにアップロードするという流れだ。クラウドプラットフォームを中心にデータ共有することで、4D工程管理アプリケーションによる効率化、多様なシステムとのデータ連携が可能になる。
取り組みの成果
- 監督業務における作業の効率化
>>[ 1 時間巡視/日→20 分/日に短縮 ]
- オペレーター作業の省人化・迅速化
>>[ 従来5 日→1 日に短縮 ]
>>[ 取得データの処理時間短縮 従来1日→今回2時間 ]
>> [ sfm 処理後データの共有に掛かる時間短縮 従来4日→今回6時間 ]
- 情報共有業務の簡素化
>>[ 打合せ回数30%削減 ]
- 情報共有の迅速化
>>[ 従来5 日後→1 日後に把握 ]
>>[ sfm 処理後データの共有に掛かる時間短縮 従来5日→今回8時間 ]
今回の取組みによって、目標としていた省人化、省力化、コスト削減等の効果が見込めることがわかった。ランドログ、JIW、オプティム、RECONSTRUCTの各社がそれぞれの技術を提供し合い、今後はよりスムーズなシステム連携を強化していき、さらなる削減効果を達成し、建設土木業界の長年の課題を解決していく狙いだ。
WRITTEN by
角田 憲
有限会社さくらぐみにライターとして所属。宅地建物取引士。祖父が宮大工だったことから建築、不動産に興味を持ち、戸建て、マンション等の販売・管理・メンテナンス業務に従事。食、音楽、格闘技・スポーツ全般、健康、トラベルまで幅広く執筆。読書量は年間約300冊。