コラム・特集
【建設機械/重機メーカー】大手20社を一挙紹介【2024年版】
本記事では、土木や建設、建築現場などで活躍する建設機械(重機)を手がけるメーカーを紹介する。
国内4大建設機械メーカー(コマツ、日立建機、コベルコ建機、住友重機械工業のロジスティックス&コンストラクション部門)のほか、世界トップクラスのシェアを占めるキャタピラー社など全20社を解説。会社の歴史や主力商品、市場のシェア率などについて取り上げている。
建設機械とは主に土木・建設、建築の施工(工事)現場で使われる機械のこと。工事現場以外に農業や畜産、港湾などでも用いられている。
ショベルやブルドーザなど大型で重量があるものが多いことから「重機」とも呼ばれているが、近年は都市部の再開発で使い勝手の良い小型の製品にも注目が高まっている。
各分野で用いられている建設機械には以下のようなものがある。
油圧ショベル、解体仕様油圧ショベル、クローラクレーン、油圧クレーン、タワークレーン、高所作業車、トラック搭載型クレーン、コンクリートバイブレータ、基礎機械
ブルドーザ、ホイールローダ、アスファルトプラント、コンクリートプラント、オフロードダンプトラック、キャリア、自走式粉砕機、クローラドリル
油圧ショベル、クローラクレーン、フローティングクレーン、基礎機械、キャリア
ブルドーザ、油圧ショベル、油圧ショベル、締固機械
林業仕様油圧ショベル、トラック搭載型クレーン、キャリア、自走式木材粉砕機
締固機械、アスファルトフィニッシャ、モータグレータ、路面切削機、スクレーパ、ロードスタビライザ、コンプレッサ
シールド、小口径管推進機械、ドリルジャンボ、クローラテレスコ
油圧ショベル、油圧クレーン、高所作業車、トラック搭載型クレーン、コンクリートポンプ
国内の建設投資は停滞が続いており、建設機械の需要も急激な増加は見込めない一方で、海外では都市開発が盛んは地域がまだまだ多い。そのため日本の建設機械メーカー各社も積極的に海外展開を推進している。
参考:一般社団法人 日本建設機械工業会「建設機械って何?」(https://www.cema.or.jp/general/industry/about.html)
【事業内容】
土木、解体・産廃・リサイクル、農畜産、林業、マイニング、採石、物流、産業機械 ほか
工作機械・鉱山用機械を手掛ける前身より分社独立し、1931年には農耕用トラクター国産1号を完成させた。創業当初より「海外への雄飛」を目標に掲げ、現在では150ヶ国に211社の販売・サービス代理店を有する。
油圧ショベル、ブルドーザ、モービルクラッシャの3種を「ダントツ商品」として掲げ、建設機械で国内シェアトップ、2022年の建設機械建機メーカーの売上高シェアで世界2位に位置している。
【事業内容】
建設機械およびディーゼルエンジン等の販売、サービス、レンタル
キャタピラー社は1925年に設立、アメリカ・イリノイ州に本社を構える。従業員は約97000名。主力製品は油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザなど。2020年末の売上高は417億ドルで、建設機械で世界トップクラスの売り上げを誇る。
キャタピラーグループの日本法人である日本キャタピラーは、1963年に三菱重工との合同会社として設立されたキャタピラー三菱を前身に持つ。2012年に三菱重工は保有するすべての株式をキャタピラー社に譲渡した。
【事業内容】
日立製作所の建設機械部門が前身にあり、1950年に国産機械式ショベルの量産を開始した。近年は海外展開にも力を入れており、79社ある連結子会社のうち72社が海外にあり、2022年度の売上収益の82%は海外売上によるもの。
現在の主力製品は油圧ショベル、ホイールローダ、鉱山機械など。2022年度の売上実績は1兆2795億円で、その約半数を建設機械本体の売上が占めている。
【事業内容】
建設機械、運搬機器の製造、販売・サービス
コベルコ建機は神戸製鋼グループの一員である。神戸製鋼所から建設機械カンパニーが分社し、神鋼コベルコ建機と油谷重工が経営統合し、コベルコ建機が誕生した。
建設機械として国産第1号となる電気ショベルをはじめ、トラッククレーンやディーゼルパイルハンマなど国産で初となる製品を生み出している。
同社の製品は「低燃費」「低騒音」を特徴としており、代表的な製品に油圧ショベルの最新モデル「GENERATION10」シリーズがある。
【事業内容】
メカトロニクス、インダストリアルマシナリー、ロジスティックス&コンストラクション、エネルギー&ライフライン
住友重機械工業は1888(明治21)年に別紙銅山で使われる機械や器具の製作・修理業で創業、現在までに一般産業機械や建設機械のほか、精密機械、船舶、環境・プラント機器などを手掛ける総合機械メーカーに成長した。
建設機械部門の主力製品は、油圧ショベル、道路機械、クローラクレーン、基礎工事用機械。グループ会社に住友建機、住友重機械建機クレーン、住友重機械搬送システム、住友ナコ フォークリフトがある。
【事業内容】
農業(農業ソリューション製品)、水環境、エンジン(産業用・発電機用)、建設機械、精密機器・空調、素形材・鋼管
クボタは鋳物メーカーとして創業。その後、国産水道管の開発・量産化を成功させ水道インフラの整備促進に寄与した。1922年に農工用石油発動機、1947年に耕うん機の製造を開始。以降、食料・水・環境に関する分野で事業を展開している。
同社はミニバックホーのパイオニアでもあり、21年連続で販売台数は世界1位。120ヶ国以上でビジネスを展開し、2022年度の売上は約2兆7000万円だった。
【事業内容】
農業、マリンプレジャー、大型舶用エンジン、エネルギー、建設機械、産業エンジン
ヤンマーの起源は、1912(明治45)年に創業した山岡発動機工作所にある。創業当初はガス発動機の修理・販売を手掛けていたが、1920年代から石油発動機の製造・販売を開始した。
建設機械の主力製品はショベルカー、ホイールローダ、発電機など。2012年、創業100周年を迎えたのを機に組織改編を行ない、翌年に持株会社制へ移行した。
【事業内容】
建設用クレーン、油圧ショベル等およびその他に製品の製造ならびに販売
加藤製作所は個人事業主として創業。内燃機関車や鉄道用モーターカーに製造を手掛け鉄道省指定工場に認定された。以降、トラクター、ロードローラー、クレーン車両などの生産を手掛けてきた。
2016年にIHI建機を子会社化、2022に三陽電器を吸収合併している。主力製品は、トラッククレーン、油圧ショベル、ラフテレーンクレーンなど。2023年に全旋回式クローラキャリアの新シリーズIC70Rを販売開始した。
【事業内容】
エンジンコンプレッサ、モータコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車、ミニバックホー、エンジン溶接機の製造・販売
北越工業は設立当初より定置式往復動コンプレッサの製造・販売を行なっている。以来、現在までエアコンプレッサを主力商品としている。
「AIRMAN(エアマン)」のブランド名は1950年代より使用している。1981年よりミニバックホーの販売を開始。このほか建設機械では高所作業車なども手掛けている。
【事業内容】
建設機械、土木機械、環境機器、農業機械などの製造販売、農業機械の輸入販売 ほか
諸岡は土木建設会社として創業。さく泉工事において独自に技術を研究する中で、本格的なゴムクローラーと全油圧駆動のトレンチャーを世界に先駆けて開発した。昭和52年には南極昭和基地で使用するためのクローラショベルと不整地運搬車の納入を開始。近年の主力商品にはキャリアダンプ、フォワーダ、木材破砕機、フォークリフトなどがある。
【事業内容】
建設機械の開発、製造、海外セールス
1963年、住友機械工業(現、住友重機械工業)が建機事業部を新設し、米国のリンク・ベルト社(現、FMC社)社と技術提携を結んだことから住友建機の歴史はスタートした。
その後、「住友-リンク・ベルト」ブランドの機械式ショベルおよび機械式トラッククレーンの販売を開始。以降、ショベルと道路機械を事業の柱としている。
【事業内容】
産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品、不動産事業、研究開発
古河機械金属の起源は、新潟県での銅山経営にある。その後、坑道開削に削岩機を用いたことから機械部門に進出した。
1987年にはトラッククレーン製造を手掛けてきたユニックを買収。その後、2004年に建設機械事業を日立建機グループに売却した。
現在、機械事業ではユニックを手掛けており、トラック搭載型クレーンおよびユニックキャリアの国内シェアは50%を占めている。ユニック部門を担う子会社に古河ユニックがある。
【事業内容】
建設用クレーン、車両搭載型クレーンおよび高所作業車等の製造販売
タダノは1919年、創業者が溶接業を立ち上げるべく北海道・旭川に旅立った日を創業日としている。1930年代より工作機械の製造を開始、1954年より油圧式産業機械の開発に着手しダンプトラックを完成させた。
翌年の1955年には日本発の油圧式トラッククレーンを完成させ、以来クレーンメーカーとして実績を重ねてきている。近年は「Lifting Equipment((移動機能付)抗重力・空間作業機械)」という新事業に力を入れている。
【事業内容】
建設機械の製造・販売および産業機械の製造・販売、仕入れ販売
酒井重工業は1918(大正7)年、自動車や蒸気機関車の部品製造および修理業として創業した。その後、1929年より道路転圧用ロードローラーの製造を開始。時流に乗ったことで事業は拡大し、その後、現在に至るまで道路建設機械の分野で存在感を示している。アメリカ、中国、インドネシアにも拠点を有し、海外展開も行っている。
【事業内容】
特装車事業、環境事業、パーキング事業
ごみ収集車やタンクローリーなど、特装車の分野で国内トップクラスのシェアを占める極東開発工業。1965年より小型三転ダンプの開発をスタート。
以降、各種ダンプトラックのほか、コンクリートポンプ車や散水車、ミキサートラックなどの製造販売も手掛けてきた。中期経営計画において2025年3月期の連結売上目標で1400億円以上を目指している。
【事業内容】
北川鉄工所の前身は船具製作所で、大正7(1918)年に創業した。その後、鋳物工場と機械工場を新設し、鉄工業に軸を移していった。
現在、同社は金属素形材事業、工作機器事業、産業機械事業の3本柱で、機械部品からコンクリートプラントまで幅広く手掛けている。
建設機械の主力商品はクライミングクレーン、低床式ジブクレーン、油圧ウインチで、風車建設用タワークレーンなども手掛けている。
【事業内容】
農業用・土木建設用・林業用運搬車・草刈作業車及び産業用機械の製造販売
キャニコムは1948年に農具製作所として創業。1961年には業界初となる鋼板製トレーラーを開発した。1969年より動力運搬車の製造をスタートし、土木建設用運搬車や林業機械などを手掛けている。
ユニークな発想から生まれたデザインやネーミングの製品が多く、デザイン賞やネーミング賞を多々受賞している。
【事業内容】
バッテリーフォークリフト、エンジンフォークリフト、コンテナキャリア、トランスファークレーン、搬送用ロボット、自動倉庫、WMS(ウェアハウスマネジメントシステム) 等の物流システム商品等の開発・設計・製造・販売
三菱ロジネクストはニチユ(日本輸送機)、三菱、TCM、ユニキャリアという物流機器メーカー4社の吸収合併により誕生した。
現在の社名には2017年に変更、主要株主は三菱重工である。土木工事向けの主力商品にはスキッドステアローダーやショベルローダーがある。
【事業内容】
建設機械の開発、製造および販売
竹内製作所は1971年に世界で初めてミニショベルを開発し、1978年からは輸出も開始した。自社製品のほかヤンマーにはクローラキャリアのOEM生産、IHI建機にはミニショベルのOEM生産も手掛けている。
受注生産方式を取っており、給油方式や各種機能の搭載の有無などユーザーニーズに細かく対応できることを強みとしている。
【事業内容】
技研製作所は土木工事会社として創業。騒音や振動などの公害が発生しにくい産業機械や工法の研究に取り組む中で、1975年、世界初の無公害杭圧入引抜機「サイレントパイラー」第1号機を完成させた。同社のサイレントパイラーはこれまでに40以上の国と地域に約3600台を納入している。
国内4大建設機械メーカー(コマツ、日立建機、コベルコ建機、住友重機械工業のロジスティックス&コンストラクション部門)のほか、世界トップクラスのシェアを占めるキャタピラー社など全20社を解説。会社の歴史や主力商品、市場のシェア率などについて取り上げている。
そもそも建設機械とは?
建設機械とは主に土木・建設、建築の施工(工事)現場で使われる機械のこと。工事現場以外に農業や畜産、港湾などでも用いられている。
ショベルやブルドーザなど大型で重量があるものが多いことから「重機」とも呼ばれているが、近年は都市部の再開発で使い勝手の良い小型の製品にも注目が高まっている。
各分野で用いられている建設機械には以下のようなものがある。
土木・建設工事、建築・解体工事
油圧ショベル、解体仕様油圧ショベル、クローラクレーン、油圧クレーン、タワークレーン、高所作業車、トラック搭載型クレーン、コンクリートバイブレータ、基礎機械
建設資材
ブルドーザ、ホイールローダ、アスファルトプラント、コンクリートプラント、オフロードダンプトラック、キャリア、自走式粉砕機、クローラドリル
護岸・河川・橋梁工事
油圧ショベル、クローラクレーン、フローティングクレーン、基礎機械、キャリア
造成・環境工事
ブルドーザ、油圧ショベル、油圧ショベル、締固機械
林業
林業仕様油圧ショベル、トラック搭載型クレーン、キャリア、自走式木材粉砕機
道路工事
締固機械、アスファルトフィニッシャ、モータグレータ、路面切削機、スクレーパ、ロードスタビライザ、コンプレッサ
トンネル・上下水道
シールド、小口径管推進機械、ドリルジャンボ、クローラテレスコ
生活関連工事
油圧ショベル、油圧クレーン、高所作業車、トラック搭載型クレーン、コンクリートポンプ
国内の建設投資は停滞が続いており、建設機械の需要も急激な増加は見込めない一方で、海外では都市開発が盛んは地域がまだまだ多い。そのため日本の建設機械メーカー各社も積極的に海外展開を推進している。
参考:一般社団法人 日本建設機械工業会「建設機械って何?」(https://www.cema.or.jp/general/industry/about.html)
建設機械メーカー大手20社をまとめて紹介
小松製作所(コマツ)
- 設立:1921(大正10)年5月13日
- 資本金: 721億1800万円
- 本社所在地:東京都港区
- 社員数:12208名(連結:64343名)
【事業内容】
土木、解体・産廃・リサイクル、農畜産、林業、マイニング、採石、物流、産業機械 ほか
工作機械・鉱山用機械を手掛ける前身より分社独立し、1931年には農耕用トラクター国産1号を完成させた。創業当初より「海外への雄飛」を目標に掲げ、現在では150ヶ国に211社の販売・サービス代理店を有する。
油圧ショベル、ブルドーザ、モービルクラッシャの3種を「ダントツ商品」として掲げ、建設機械で国内シェアトップ、2022年の建設機械建機メーカーの売上高シェアで世界2位に位置している。
日本キャタピラー(キャタピラー)
- 設立:1966年3月1日
- 本社所在地: 東京都千代田区
- 社員数:2407名(2018年5月1日現在)
【事業内容】
建設機械およびディーゼルエンジン等の販売、サービス、レンタル
キャタピラー社は1925年に設立、アメリカ・イリノイ州に本社を構える。従業員は約97000名。主力製品は油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザなど。2020年末の売上高は417億ドルで、建設機械で世界トップクラスの売り上げを誇る。
キャタピラーグループの日本法人である日本キャタピラーは、1963年に三菱重工との合同会社として設立されたキャタピラー三菱を前身に持つ。2012年に三菱重工は保有するすべての株式をキャタピラー社に譲渡した。
日立建機
- 設立:1970年10月1日
- 資本金: 815億7700万円
- 本社所在地: 東京都台東区
- 社員数:5621名(連結25430名/2023年3月31日現在)
【事業内容】
- 製品
ミニショベル、ミニホイールローダ、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、大型・超大型油圧ショベル、リジッドダンプトラック)
- ソリューション
ダンプトラック自律走行システム、鉱山運行管理システム、ICT施工、ConSite - 部品・サービス、中古車・レンタル
日立製作所の建設機械部門が前身にあり、1950年に国産機械式ショベルの量産を開始した。近年は海外展開にも力を入れており、79社ある連結子会社のうち72社が海外にあり、2022年度の売上収益の82%は海外売上によるもの。
現在の主力製品は油圧ショベル、ホイールローダ、鉱山機械など。2022年度の売上実績は1兆2795億円で、その約半数を建設機械本体の売上が占めている。
コベルコ建機
- 設立:1999年10月1日
- 資本金: 160億円
- 本社所在地: 東京都品川区
- 社員数:2563名(連結7776名/2023年3月31日現在)
【事業内容】
建設機械、運搬機器の製造、販売・サービス
コベルコ建機は神戸製鋼グループの一員である。神戸製鋼所から建設機械カンパニーが分社し、神鋼コベルコ建機と油谷重工が経営統合し、コベルコ建機が誕生した。
建設機械として国産第1号となる電気ショベルをはじめ、トラッククレーンやディーゼルパイルハンマなど国産で初となる製品を生み出している。
同社の製品は「低燃費」「低騒音」を特徴としており、代表的な製品に油圧ショベルの最新モデル「GENERATION10」シリーズがある。
住友重機械工業
- 設立:1934(昭和9)年11月1日
- 資本金: 308億7165万円
- 本社所在地: 東京都品川区
- 社員数:25211名(連結/2022年12月31日現在)
【事業内容】
メカトロニクス、インダストリアルマシナリー、ロジスティックス&コンストラクション、エネルギー&ライフライン
住友重機械工業は1888(明治21)年に別紙銅山で使われる機械や器具の製作・修理業で創業、現在までに一般産業機械や建設機械のほか、精密機械、船舶、環境・プラント機器などを手掛ける総合機械メーカーに成長した。
建設機械部門の主力製品は、油圧ショベル、道路機械、クローラクレーン、基礎工事用機械。グループ会社に住友建機、住友重機械建機クレーン、住友重機械搬送システム、住友ナコ フォークリフトがある。
クボタ
- 創業:1890年
- 資本金: 841億円
- 本社所在地: 大阪府大阪市浪速区
- 社員数:12474名(連結50352名/2022年21月31日現在)
【事業内容】
農業(農業ソリューション製品)、水環境、エンジン(産業用・発電機用)、建設機械、精密機器・空調、素形材・鋼管
クボタは鋳物メーカーとして創業。その後、国産水道管の開発・量産化を成功させ水道インフラの整備促進に寄与した。1922年に農工用石油発動機、1947年に耕うん機の製造を開始。以降、食料・水・環境に関する分野で事業を展開している。
同社はミニバックホーのパイオニアでもあり、21年連続で販売台数は世界1位。120ヶ国以上でビジネスを展開し、2022年度の売上は約2兆7000万円だった。
ヤンマーホールディングス(ヤンマー)
- 設立:2013年4月1日
- 資本金: 9000万円
- 本社所在地: 大阪府大阪市北区
- 社員数:20958名(連結/2023年3月31日現在)
【事業内容】
農業、マリンプレジャー、大型舶用エンジン、エネルギー、建設機械、産業エンジン
ヤンマーの起源は、1912(明治45)年に創業した山岡発動機工作所にある。創業当初はガス発動機の修理・販売を手掛けていたが、1920年代から石油発動機の製造・販売を開始した。
建設機械の主力製品はショベルカー、ホイールローダ、発電機など。2012年、創業100周年を迎えたのを機に組織改編を行ない、翌年に持株会社制へ移行した。
加藤製作所
- 設立:1935年1月
- 資本金: 29億3589万円
- 本社所在地: 東京都品川区
- 社員数:751名(連結1009名/2023年3月31日現在)
【事業内容】
建設用クレーン、油圧ショベル等およびその他に製品の製造ならびに販売
加藤製作所は個人事業主として創業。内燃機関車や鉄道用モーターカーに製造を手掛け鉄道省指定工場に認定された。以降、トラクター、ロードローラー、クレーン車両などの生産を手掛けてきた。
2016年にIHI建機を子会社化、2022に三陽電器を吸収合併している。主力製品は、トラッククレーン、油圧ショベル、ラフテレーンクレーンなど。2023年に全旋回式クローラキャリアの新シリーズIC70Rを販売開始した。
北越工業(AIRMAN)
- 設立:1938年5月15日
- 資本金: 34億1654万円
- 本社所在地: 新潟県燕市
【事業内容】
エンジンコンプレッサ、モータコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車、ミニバックホー、エンジン溶接機の製造・販売
北越工業は設立当初より定置式往復動コンプレッサの製造・販売を行なっている。以来、現在までエアコンプレッサを主力商品としている。
「AIRMAN(エアマン)」のブランド名は1950年代より使用している。1981年よりミニバックホーの販売を開始。このほか建設機械では高所作業車なども手掛けている。
諸岡
- 創業:1958(昭和33)年3月
- 資本金: 1億円
- 本社所在地: 茨城県龍ケ崎市
- 社員数:272名(2023年4月現在)
【事業内容】
建設機械、土木機械、環境機器、農業機械などの製造販売、農業機械の輸入販売 ほか
諸岡は土木建設会社として創業。さく泉工事において独自に技術を研究する中で、本格的なゴムクローラーと全油圧駆動のトレンチャーを世界に先駆けて開発した。昭和52年には南極昭和基地で使用するためのクローラショベルと不整地運搬車の納入を開始。近年の主力商品にはキャリアダンプ、フォワーダ、木材破砕機、フォークリフトなどがある。
住友建機
- 設立:1968(昭和43)年7月1日
- 資本金: 160億円
- 本社所在地: 東京都品川区
【事業内容】
建設機械の開発、製造、海外セールス
1963年、住友機械工業(現、住友重機械工業)が建機事業部を新設し、米国のリンク・ベルト社(現、FMC社)社と技術提携を結んだことから住友建機の歴史はスタートした。
その後、「住友-リンク・ベルト」ブランドの機械式ショベルおよび機械式トラッククレーンの販売を開始。以降、ショベルと道路機械を事業の柱としている。
古河機械金属
- 設立:1918(大正7)年4月
- 資本金: 282億818万円
- 本社所在地: 東京都千代田区
- 社員数:208名(連結2831名/2023年3月31日現在)
【事業内容】
産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品、不動産事業、研究開発
古河機械金属の起源は、新潟県での銅山経営にある。その後、坑道開削に削岩機を用いたことから機械部門に進出した。
1987年にはトラッククレーン製造を手掛けてきたユニックを買収。その後、2004年に建設機械事業を日立建機グループに売却した。
現在、機械事業ではユニックを手掛けており、トラック搭載型クレーンおよびユニックキャリアの国内シェアは50%を占めている。ユニック部門を担う子会社に古河ユニックがある。
タダノ
- 設立:1948年8月24日
- 資本金: 130億2156万8461円
- 本社所在地: 香川県高松市
- 社員数:1585名(連結4651名/2022年12月31日現在)
【事業内容】
建設用クレーン、車両搭載型クレーンおよび高所作業車等の製造販売
タダノは1919年、創業者が溶接業を立ち上げるべく北海道・旭川に旅立った日を創業日としている。1930年代より工作機械の製造を開始、1954年より油圧式産業機械の開発に着手しダンプトラックを完成させた。
翌年の1955年には日本発の油圧式トラッククレーンを完成させ、以来クレーンメーカーとして実績を重ねてきている。近年は「Lifting Equipment((移動機能付)抗重力・空間作業機械)」という新事業に力を入れている。
酒井重工業
- 設立:1949年5月
- 資本金: 32億9584万円
- 本社所在地: 東京都港区
【事業内容】
建設機械の製造・販売および産業機械の製造・販売、仕入れ販売
- 締固め機械
土工用振動ローラ、土工用振動タンデムローラ、タイヤローラ、マカダムローラ、振動タンデムローラ、振動コンバインドローラ、振動タイヤローラ、振動マカダムローラ、ランマ、プレートコンパクタ、前後進プレートコンパクタ、ハンドガイドローラ - 道路維持補修機械
ロードカッタ、ロードスタビライザ、アスファルトフィニッシャ、排水性舗装機能回復車、散水車
酒井重工業は1918(大正7)年、自動車や蒸気機関車の部品製造および修理業として創業した。その後、1929年より道路転圧用ロードローラーの製造を開始。時流に乗ったことで事業は拡大し、その後、現在に至るまで道路建設機械の分野で存在感を示している。アメリカ、中国、インドネシアにも拠点を有し、海外展開も行っている。
極東開発工業
- 設立:1955年6月1日
- 資本金: 118億9900万円
- 本社所在地: 大阪府大阪市中央区
- 社員数:1104名(連結3201/2023年3月31日現在)
【事業内容】
特装車事業、環境事業、パーキング事業
ごみ収集車やタンクローリーなど、特装車の分野で国内トップクラスのシェアを占める極東開発工業。1965年より小型三転ダンプの開発をスタート。
以降、各種ダンプトラックのほか、コンクリートポンプ車や散水車、ミキサートラックなどの製造販売も手掛けてきた。中期経営計画において2025年3月期の連結売上目標で1400億円以上を目指している。
北川鉄工所
- 設立:1941年11月28日
- 資本金: 86億4000万円
- 本社所在地: 広島県府中市
- 社員数:1442名(2023年3月31日現在)
【事業内容】
- 金属素形材事業
生型機械鋳鉄品・エバフォーム鋳造品および鋳物素材をベースとした機械加工品・組立完成品、自動車部品、建設機械部品、農機具部品、油圧機器部品、住宅関連部品 - 工作機器事業
旋盤用チャックおよび回転シリンダ、NC円テーブル、パワーバイス、ワークグリッパ、ロボットハンド、摩擦接合機、ウォーターカッター、ライトマシニングセンタ、CFRP加工専用機 - 産業機械事業
コンクリートプラント、コンクリートミキサ、生コン水処理設備、コンクリート関連設備、環境関連設備およびリサイクルプラント、もみがら擂潰装置(ミルクル)、橋梁架設用機械、建築用ジブクレーン(ビルマン)、ウインチ、自走式立体駐車場
北川鉄工所の前身は船具製作所で、大正7(1918)年に創業した。その後、鋳物工場と機械工場を新設し、鉄工業に軸を移していった。
現在、同社は金属素形材事業、工作機器事業、産業機械事業の3本柱で、機械部品からコンクリートプラントまで幅広く手掛けている。
建設機械の主力商品はクライミングクレーン、低床式ジブクレーン、油圧ウインチで、風車建設用タワークレーンなども手掛けている。
筑水キャニコム(キャニコム)
- 設立:1955年12月9日
- 資本金: 1億円
- 本社所在地: 福岡県うきは市
- 社員数:278名
【事業内容】
農業用・土木建設用・林業用運搬車・草刈作業車及び産業用機械の製造販売
キャニコムは1948年に農具製作所として創業。1961年には業界初となる鋼板製トレーラーを開発した。1969年より動力運搬車の製造をスタートし、土木建設用運搬車や林業機械などを手掛けている。
ユニークな発想から生まれたデザインやネーミングの製品が多く、デザイン賞やネーミング賞を多々受賞している。
三菱ロジスネクスト
- 設立:1937年8月
- 資本金: 49億3800万円
- 本社所在地: 京都府長岡京市
- 社員数:約12000名(2023年3月31日現在)
【事業内容】
バッテリーフォークリフト、エンジンフォークリフト、コンテナキャリア、トランスファークレーン、搬送用ロボット、自動倉庫、WMS(ウェアハウスマネジメントシステム) 等の物流システム商品等の開発・設計・製造・販売
三菱ロジネクストはニチユ(日本輸送機)、三菱、TCM、ユニキャリアという物流機器メーカー4社の吸収合併により誕生した。
現在の社名には2017年に変更、主要株主は三菱重工である。土木工事向けの主力商品にはスキッドステアローダーやショベルローダーがある。
竹内製作所
- 設立:1963年8月21日
- 資本金: 36億3294万円
- 本社所在地: 長野県埴科郡
- 社員数:1053名(連結/2023年2月末日現在)
【事業内容】
建設機械の開発、製造および販売
- 主要製品
ミニショベル、油圧ショベル、クローラーローダ、クローラキャリア
竹内製作所は1971年に世界で初めてミニショベルを開発し、1978年からは輸出も開始した。自社製品のほかヤンマーにはクローラキャリアのOEM生産、IHI建機にはミニショベルのOEM生産も手掛けている。
受注生産方式を取っており、給油方式や各種機能の搭載の有無などユーザーニーズに細かく対応できることを強みとしている。
技研製作所
- 設立:1978年1月
- 資本金: 89億5800万円
- 本社所在地: 東京都江東区
- 社員数:690名(連結/2022年8月末現在)
【事業内容】
- 無公害工法、産業機械の研究開発および製造販売ならびにレンタル事業
- 土木建築その他建設工事と全般に関する業務ならびにコンサルタント業務
- 土木施工技術・工法の研究開発
- 上記に関する海外事業
技研製作所は土木工事会社として創業。騒音や振動などの公害が発生しにくい産業機械や工法の研究に取り組む中で、1975年、世界初の無公害杭圧入引抜機「サイレントパイラー」第1号機を完成させた。同社のサイレントパイラーはこれまでに40以上の国と地域に約3600台を納入している。
WRITTEN by
三浦 るり
2006年よりライターのキャリアをスタートし、2012年よりフリーに。人材業界でさまざまな業界・分野に触れてきた経験を活かし、幅広くライティングを手掛ける。現在は特に建築や不動産、さらにはDX分野を探究中。