静岡県は、太平洋に面した長い海岸線と、富士山と南アルプスに代表される山岳地帯の両方を抱える、地形のコントラストが非常に大きな地域だ。
そのため土木・建設業では、港湾整備、海岸保全、河川改修、山間部の道路・橋梁・砂防工事など、多様なインフラ整備が同時に求められる。
また、東海道新幹線や東名・新東名高速道路など、日本の大動脈が通る交通の要衝でもあり、物流・産業基盤を支える土木技術の重要性が高い地域でもある。
地震や津波といった自然災害リスクも常に意識されており、防災・減災を軸としたインフラ整備や老朽化対策は、県内企業にとって欠かせないテーマとなっている。
住宅・商業施設・観光関連施設に加え、製造業の工場や研究施設など、産業集積地ならではの建設需要も特徴的だ。
近年は、インフラの維持管理や建設DX、省人化・省力化への対応も進み、地域密着型でありながら技術力の高度化を目指す企業が多く存在している。
本記事では、そんな静岡県の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
2021年に創業100周年を迎えた木内建設は、静岡県の近代建築と土木整備の両面で地域発展の礎を築いてきた総合建設企業のひとつだ。
AI活用のひとつとして、見積書をもとに建設する建物のCO2排出量を算定・可視化するツールを開発したことも注目を集めている。
(画像元:木内建設WEBサイトより引用)
建築事業では、先進的工法の積極的な導入などによって生産性の向上を図り、工期短縮・コスト削減を実現している。
マンション、学校、病院、工場、倉庫、クリーンルームなどを幅広く手がけており、東京都内や愛知県内など広いエリアに実績を持つ。
近年では、静岡県焼津市役所本庁舎や、独立行政法人都市再生機構から受注した藤枝総合運動公園サッカー場のバックスタンド改修などに手がけている。
土木事業では、道路、土地造成、河川、海岸、上下水道工事、都市土木などのインフラ整備のほか、災害時には官公庁と連携して緊急対応や応急復旧にも取り組んでいる。
富士山の麓に広がる富士大淵工業団地造成なども施工している。
1905年創業の須山建設は、浜松市本社を構える総合建設会社だ。
2000年代以降には、太陽光発電事業、高齢化社会を念頭に置いたサービス付高齢者向け住宅の建設・運営をはじめるなど、まちづくりの専門家集団として土木・建築にとどまらない事業を展開してきた。
日本初の西遠浄化センターのコンセッション事業やPFIへの参画など、新しい事業形態への挑戦も特徴だ。
(画像元:須山建設WEBサイトより引用)
2016年からICT施工に取り組んでおり、翌2017年には社内に建設ICT推進室を設置して内製化を進めてきた。
モータードライブ型トータルステーション、RTK GNSS測量器、UAV、マシンコントロールバックホウなどを多数導入し、3次元測量や建設重機の半自動運転などを行なっている。防災・減災のためのソリューションとして、ICT泥上掘削システムも構築している。
優秀な工事として表彰を受けた実績も数多く、近年では、佐久間浦川半場線道路災害復旧工事、浜松市立神久呂小学校、浜松市音楽ホールなどがある。
市川土木は、1921年に市川組として創業して以来、地域密着の総合建設業者として一般住宅から公共施設まで幅広い工事を手がけてきた。2021年に創業100周年を迎えた歴史ある企業だ。
(画像元:市川土木WEBサイトより引用)
海、川、道路などさまざまな現場に対応する土木工事業では、例えば、富士海岸蒲原工区離岸堤工事、草薙総合運動場社会資本整備工事(修景・管理施設)、静岡下島線道路改良工事、安倍川山崎築堤工事などの実績がある。
建築工事業では、行政施設、教育文化施設、医療福祉施設、店舗・ショールーム、工場流通施設、オフィス・金融機関、マンション、住宅、寺社の施工実績があり、静岡市新庁舎の建設主体工事、東海道広重美術館の建築主体工事などが代表的だ。
また、建物移動工事業として、住宅、歴史的建築物や文化財を移動する曳家を行なっているほか、小型ごみ焼却炉除染・解体事業も行なっている。
品質管理・安全管理を重視し、確実な仕事を積み重ねてきた姿勢によって、地域の生活基盤を支える存在として、安定した役割を果たしてきた企業である。
1910年に創業した中村組は、浜松市の本社に加え、東京、名古屋に支社を置き総合建設業を営む。各事業部の連携によってあらゆるニーズに応える総合力が強みだ。
オフィス、工場、病院、学校、店舗などを幅広く手がける建築事業では、企画から設計、施工、保守まで、一貫したサポート体制を整えている。
独自の視点に基づいてデジタル技術を積極的に活用しており、BIM(3次元デジタルモデル)を使用し、総合仮設計画や内外観ウォークスルー、日照シミュレーション、施工手順検証、鉄骨干渉チェックといった「施工の見える化」を建設DXによって実現している。
(画像元:中村組WEBサイトより引用)
土木事業では、道路、橋梁、鉄道、環境衛生施設などの社会基盤整備から、災害時の緊急対応、防災・減災対策にも取り組む。
i-Constructionの導入に積極的に取り組んでおり、BIM/CIMや3次元測量技術の活用、さらには3Dマシンコントロールバックホウや3D設計による測量の省力化といったICT技術を活用した施工も盛んだ。
代表的な実績として、サーラ音楽ホール、静波サーフスタジアム、浜名大橋橋梁補修工事などがある。
中村建設は1955年の創業から2025年で70周年を迎えたばかりだ。浜松市を中心に、東北から九州まで支店や営業所のネットワークを広げている。
土木部門では、道路や河川のインフラの整備とメンテナンス、下水や水道などのライフライン、さらに護岸や消波ブロックのマリン事業まで幅広く対応する。
中でも、静岡県西部では唯一海洋土木の施工技術を持っていることが強みとなっている。また、地域の社会インフラの相談窓口として活動しているNPO橋守支援センター静岡の事務局長を中村建設が兼務している。
(画像元:中村建設WEBサイトより引用)
建築部門では、大空間建築やローコスト建築、増築・リノベーションを得意としており、工場、倉庫、事務所、商業施設、福祉施設、教育施設などを広く手がけている。
代表的な施工実績としては、浜松城天守閣改修工事、いなさ湖地区法面工事、浜松市総合産業展示館大規模改修工事などがあるほか、行政と連携して取り組むPPP・PFI 実績として、直虎桟橋整備事業や旧春野南中学校プール利活用などがある。
1923年に創業した平井工業は、1941年には東京出張所を開設し、静岡市を中心としつつ早期から関東圏での事業を展開してきた。
建築施工では、商業施設・再開発、公共施設、工場、宗教施設、共同住宅、医療・福祉施設、 事務所、教育施設、リニューアル、PFI事業と幅広く手がけている。
大浜リゾートから発注を受けた大浜公園再整備工事では、PFI事業として述べ953.26㎡の工事を行なった。
(画像元: 平井工業WEBサイトより引用)
土木施工では、道路・橋梁 、河川・海岸 、公共施設 、インフラメンテナンス(耐震・維持修繕)、造成・開発などを手がけており、近年では静岡市から受注した橋梁耐震補強補修工事や芝原排水機場整備工事をはじめ多数の実績を持つ。
アフターメンテナンスとして、引き渡しから定期的に実施する建物診断や耐震診断も事業として行なっており、改善計画や改修工事とあわせてワンストップで対応できることが強みだ。
1965年に設立された静鉄建設は、静岡市に本社を置く総合建設会社で、静岡鉄道グループの一員として、建築・土木・不動産関連事業などを幅広く展開し、地域のまちづくりに深く関わってきた。
建築分野では、住宅、商業施設、公共施設、オフィスビルなど多様な建物に対応し、設計・施工・管理まで一貫して手がける体制を持つ。
鉄道会社グループならではの都市整備や駅周辺開発などにも関わり、地域の景観や利便性向上に寄与してきた。梅ケ島新田温泉浴場浴室棟増築等の工事や、南沼上自治会館新築工事なども担当してきた。
(画像元:静鉄建設WEBサイトより引用)
土木分野では、道路や造成工事などを通じてインフラ整備を支え、グループ全体のネットワークを活かした安定した事業基盤を築いている。
近年では、高松日ノ出町道路改良や、日本平動物園での散策路整備工事などを行なっている。
“総合建設プランナー”を銘打つ鈴与建設は、1949年の設立以来、静岡市を拠点に快適な社会環境を築き、生活文化を向上させていくことを目指して地域とともに歩んできた。
建設・ビルメンテナンス・警備事業などを展開する鈴与コンストラクションホールディングスの一員として、それぞれの独立性・専門性を活かしながら連携を図っていることが強みだ。
(画像元:鈴与建設WEBサイトより引用)
プロジェクト一貫体制、物流オペレーションの研究と効率化提案によるプランニングなど、幅広い分野で高い技術とサービスを提供している。
土木工事ではICT技術も積極的に活用しており、測量から施工、検査まで、ドローンやレーザースキャナーによる3次元測量、3次元設計データ作成、ICT建機(マシンガイダンスやマシンコントロール)での施工、TSやGNSSを使った出来形管理まで、一連の作業をデジタル化している。
近年の施工実績として、清水立体事業の一環として尾羽地区にON・OFFランプを築造する工事、三井物産都市開発から受注したロジベース一宮の設計および施工、商業施設であるエスパルスドリームプラザPARK-sideの施工などがある。
グロージオは静岡県島田市を拠点に事業を展開する土木・建築業者で、1949年に創業した。2019年4月で創業70周年を迎えた企業だ。
規模の大小を問わず、住宅、商業施設、公共施設など幅広い分野の施工に関わり、地域のまちづくりを支えてきた。
(画像元:グロージオWEBサイトより引用)
表彰歴も数多く、2025年には、令和5年473号道路改築工事が静岡県島田土木事務所長から優良工事に、令和5年ばらの丘急傾斜地崩壊対策が島田市長からそれぞれ表彰されている。
各部隔たりのない和気あいあいとした社風を特徴として、地元からの次世代の郷土づくりを担う人材募集にも力を注いでいる。
1907年に富士山のふもとで創業した臼幸産業は、建築、開発、土木、住宅事業を展開している。
富士山麓という自然環境と観光・産業の両面を併せ持つ地域特性の中で、同社は地域に根ざした事業を営んできた。
建築分野では、木造・鉄骨造・RC造など幅広い施工に対応しており、意匠性と機能性のバランスを重視し、使う人の視点に立った建物づくりを行っている。
(画像元:臼幸産業WEBサイトより引用)
市役所や学校、駅をはじめとする公共施設や、意匠性の高いリゾートホテルや商業施設など、地域のランドマークとなる大型建造物の建築に多数携わっている。
早雲山バケーションレンタルホテルPJ新築工事、小山町役場本庁舎1階改修工事、高嶺の森のこども園などがその一例だ。
土地を用途に合わせて地盤から設計し、造成、建設を行っているため、開発事業として、調査・測量から造成土木工事、建設工事まで一貫して提案できることを強みとしている。
土木事業では、道路、河川、治山、造成など幅広い工事を手がけている。
ICT施工をはじめ、書類の電子化、リモートワークシステムなど、デジタル技術を活用し、業務効率化や現場の働きやすさ向上とともに、建築業のイメージ向上も目指している。
1960年に設立された天龍造園建設は、浜松市に本社、東京と名古屋に支店を構える“緑化”に特化した企業だ。
公園、野球場や陸上競技場などのスポーツ施設、ホテルやビルの庭園など、土木工事を含めた総合的な造園工事を通して、都市のさまざまな場所で緑化空間を創出している。
(画像元:天龍造園建設WEBサイトより引用)
創業当時から、造園と土木を融和させながら土木工事事業と造園緑化事業を展開しており、当時は東京オリンピックや後楽園球場、その後も上野公園や晴海埠頭公園など、首都圏での実績も数多い。
地元浜松市では、はままつフラワーパーク、東名高速道路など、大規模な建設工事にも参画しているほか、浜名湖花博、モザイカルチャー世界花博といったイベントでも活躍している。
近年では、施設管理・運営にも事業領域を広げており、静岡県営遠州灘海浜公園や夢の島区民農園の管理運営、別荘地みのりの村の管理・運営を行なうなど、地域で愛される場所の空間づくりを支えている点も特徴だ。
1926年の左官業創業から成長と遂げてきた常盤工業は、浜松市を拠点とする総合建設会社だ。
近年の建築事業では、 浜松市浜北文化センター大規模改修工事、浜松市営住宅湖東団地C3 棟エレベーター棟増築工事、KIARA RESORT&SPA浜名湖増築工事などの実績がある。
土木事業では、橋梁耐震補強工事、推進工事、急傾斜地崩落防止工事をはじめ、道路や橋、水道管など幅広いインフラ整備を担っている。また、老朽化した建物などを対象としたCS建物再生事業も手がける。
(画像元:常盤工業WEBサイトより引用)
若手人材を視野に入れたわかりやすい情報発信にも特徴があり、ウェブサイトでは、事業紹介ページで現場監督の仕事を説明したり、ゼネコンでどのような職種の人が働いているか紹介するページなどを設けている。
採用活動でも、選考とは別途社員とのランチやWebミーティングの要望に応えており、土木・建設業に関心を持つ人を歓迎する雰囲気と活気ある社風が伝わる企業だ。
2021年に創業100周年を迎えた橋本組は、焼津市に「社員全員で創る新本社プロジェクト」で新たに完成させた本社を置き、北海道から九州、世界でも事業を展開する企業だ。
株式会社橋本ホールディングスが本部機能を担っており、グループ企業間での連携が強みのひとつとなっている。
(画像元:橋本組WEBサイトより引用)
とりわけ県中部地方の公共事業や、地場産業である水産加工業者向けの工場・倉庫の建設など、地域に密着したプロジェクトを創業から多数手がけている。
土木事業では、新東名高速道路や静岡空港などの大規模プロジェクト、宅地・工業団地の造成などの一般工事も手がけるほか、東日本大震災後の復興支援では早期から宮城県南三陸町、気仙沼市を中心として復興工事に携わってきた。
全旋回型280t吊りクレーンを保有しており、海洋土木事業でも幅広い分野に対応。
企画提案から設計、施工、メンテナンスまで一貫してサポートする建築事業では、食品工場、商業施設、宿泊・温浴・スポーツ施設、オフィス、クリニックなど、用途や規模を問わず工事を行なっている。
静岡県掛川市を拠点とする金田組は、1915年の創業から培った土木事業のスキルを土台として、建築、不動産へと事業領域を拡大してきた。
中遠地域でも屈指の歴史を持つ老舗の建設会社だ。2016年にはM&Aにより丸山製茶株式会社を核とする丸山グループの傘下に入っている。
(画像元:金田組WEBサイトより引用)
土木事業では、道路、造成、橋梁、解体、外構などの公共工事と、宅地開発や外構工事といった民間工事を行なっている。
建築事業では、大型施設、倉庫、工場、事務所、商業用冷蔵庫、賃貸マンションなどの設計・施工、地元建築家との協業による戸建て注文住宅の設計・施工、リフォーム・リノベーションを手がける。
施工事例として、掛川市農協協同組合西南郷支所建設工事、綱川橋耐震補強工事、きみくらカフェ新築工事などがある。
1946年に設立された加和太建設は、土木・建築の施工を核としながら、まちづくり事業で存在感を放つ企業だ。
2024年に生まれ変わった静岡県三島市の本社社屋は、全国の建設会社とスタートアップ企業をつなぐ交流拠点、三島や静岡県東部のまちづくりを後押しする学び・出会いの場としての機能を備えている。
2018年からプロジェクトをスタートさせ、金沢21世紀美術館(SANAAとして)や十和田市現代美術館の設計を行なった西沢立衛が設計を担当した。
(画像元:加和太建設WEBサイトより引用)
静岡県東部で道路、橋梁、河川、上下水道、砂防堰堤、宅地造成、圃場整備などのインフラ整備を70年以上支えてきた。建設DX推進チームを設けており、2024年には中部DX大賞敢闘賞を受賞している。
建築では静岡県以外での施工実績も数多く、品川区の喜多六平太記念能楽堂耐震改修、文京区の千駄木大正モダンプロジェクトなども手がけている。
建設テックを推進するSaaS事業や、2022年にスタートさせた建設DXコミュニティ「ON-SITE X」も特筆すべき取り組みだ。
さらに、三島駅・三島広小路駅・三嶋大社を結ぶ「まちなかエリア」で空き店舗やビルをオフィスに生まれ変わらせたり、築古物件を個性的な住居として再生するといった「まちなか開発」も行なっているほか、道の駅伊豆ゲートウェイ函南などの施設運営、シェアサイクルサービスの運営、三島のまちの魅力を発信するデジタルサービスmishima good passもリリースしている。
そのため土木・建設業では、港湾整備、海岸保全、河川改修、山間部の道路・橋梁・砂防工事など、多様なインフラ整備が同時に求められる。
また、東海道新幹線や東名・新東名高速道路など、日本の大動脈が通る交通の要衝でもあり、物流・産業基盤を支える土木技術の重要性が高い地域でもある。
地震や津波といった自然災害リスクも常に意識されており、防災・減災を軸としたインフラ整備や老朽化対策は、県内企業にとって欠かせないテーマとなっている。
住宅・商業施設・観光関連施設に加え、製造業の工場や研究施設など、産業集積地ならではの建設需要も特徴的だ。
近年は、インフラの維持管理や建設DX、省人化・省力化への対応も進み、地域密着型でありながら技術力の高度化を目指す企業が多く存在している。
本記事では、そんな静岡県の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 木内建設
2021年に創業100周年を迎えた木内建設は、静岡県の近代建築と土木整備の両面で地域発展の礎を築いてきた総合建設企業のひとつだ。
AI活用のひとつとして、見積書をもとに建設する建物のCO2排出量を算定・可視化するツールを開発したことも注目を集めている。
(画像元:木内建設WEBサイトより引用)建築事業では、先進的工法の積極的な導入などによって生産性の向上を図り、工期短縮・コスト削減を実現している。
マンション、学校、病院、工場、倉庫、クリーンルームなどを幅広く手がけており、東京都内や愛知県内など広いエリアに実績を持つ。
近年では、静岡県焼津市役所本庁舎や、独立行政法人都市再生機構から受注した藤枝総合運動公園サッカー場のバックスタンド改修などに手がけている。
土木事業では、道路、土地造成、河川、海岸、上下水道工事、都市土木などのインフラ整備のほか、災害時には官公庁と連携して緊急対応や応急復旧にも取り組んでいる。
富士山の麓に広がる富士大淵工業団地造成なども施工している。
2. 須山建設
1905年創業の須山建設は、浜松市本社を構える総合建設会社だ。
2000年代以降には、太陽光発電事業、高齢化社会を念頭に置いたサービス付高齢者向け住宅の建設・運営をはじめるなど、まちづくりの専門家集団として土木・建築にとどまらない事業を展開してきた。
日本初の西遠浄化センターのコンセッション事業やPFIへの参画など、新しい事業形態への挑戦も特徴だ。
(画像元:須山建設WEBサイトより引用)2016年からICT施工に取り組んでおり、翌2017年には社内に建設ICT推進室を設置して内製化を進めてきた。
モータードライブ型トータルステーション、RTK GNSS測量器、UAV、マシンコントロールバックホウなどを多数導入し、3次元測量や建設重機の半自動運転などを行なっている。防災・減災のためのソリューションとして、ICT泥上掘削システムも構築している。
優秀な工事として表彰を受けた実績も数多く、近年では、佐久間浦川半場線道路災害復旧工事、浜松市立神久呂小学校、浜松市音楽ホールなどがある。
3. 市川土木
市川土木は、1921年に市川組として創業して以来、地域密着の総合建設業者として一般住宅から公共施設まで幅広い工事を手がけてきた。2021年に創業100周年を迎えた歴史ある企業だ。
(画像元:市川土木WEBサイトより引用)海、川、道路などさまざまな現場に対応する土木工事業では、例えば、富士海岸蒲原工区離岸堤工事、草薙総合運動場社会資本整備工事(修景・管理施設)、静岡下島線道路改良工事、安倍川山崎築堤工事などの実績がある。
建築工事業では、行政施設、教育文化施設、医療福祉施設、店舗・ショールーム、工場流通施設、オフィス・金融機関、マンション、住宅、寺社の施工実績があり、静岡市新庁舎の建設主体工事、東海道広重美術館の建築主体工事などが代表的だ。
また、建物移動工事業として、住宅、歴史的建築物や文化財を移動する曳家を行なっているほか、小型ごみ焼却炉除染・解体事業も行なっている。
品質管理・安全管理を重視し、確実な仕事を積み重ねてきた姿勢によって、地域の生活基盤を支える存在として、安定した役割を果たしてきた企業である。
4. 中村組
1910年に創業した中村組は、浜松市の本社に加え、東京、名古屋に支社を置き総合建設業を営む。各事業部の連携によってあらゆるニーズに応える総合力が強みだ。
オフィス、工場、病院、学校、店舗などを幅広く手がける建築事業では、企画から設計、施工、保守まで、一貫したサポート体制を整えている。
独自の視点に基づいてデジタル技術を積極的に活用しており、BIM(3次元デジタルモデル)を使用し、総合仮設計画や内外観ウォークスルー、日照シミュレーション、施工手順検証、鉄骨干渉チェックといった「施工の見える化」を建設DXによって実現している。
(画像元:中村組WEBサイトより引用)土木事業では、道路、橋梁、鉄道、環境衛生施設などの社会基盤整備から、災害時の緊急対応、防災・減災対策にも取り組む。
i-Constructionの導入に積極的に取り組んでおり、BIM/CIMや3次元測量技術の活用、さらには3Dマシンコントロールバックホウや3D設計による測量の省力化といったICT技術を活用した施工も盛んだ。
代表的な実績として、サーラ音楽ホール、静波サーフスタジアム、浜名大橋橋梁補修工事などがある。
5. 中村建設
中村建設は1955年の創業から2025年で70周年を迎えたばかりだ。浜松市を中心に、東北から九州まで支店や営業所のネットワークを広げている。
土木部門では、道路や河川のインフラの整備とメンテナンス、下水や水道などのライフライン、さらに護岸や消波ブロックのマリン事業まで幅広く対応する。
中でも、静岡県西部では唯一海洋土木の施工技術を持っていることが強みとなっている。また、地域の社会インフラの相談窓口として活動しているNPO橋守支援センター静岡の事務局長を中村建設が兼務している。
(画像元:中村建設WEBサイトより引用)建築部門では、大空間建築やローコスト建築、増築・リノベーションを得意としており、工場、倉庫、事務所、商業施設、福祉施設、教育施設などを広く手がけている。
代表的な施工実績としては、浜松城天守閣改修工事、いなさ湖地区法面工事、浜松市総合産業展示館大規模改修工事などがあるほか、行政と連携して取り組むPPP・PFI 実績として、直虎桟橋整備事業や旧春野南中学校プール利活用などがある。
6. 平井工業
1923年に創業した平井工業は、1941年には東京出張所を開設し、静岡市を中心としつつ早期から関東圏での事業を展開してきた。
建築施工では、商業施設・再開発、公共施設、工場、宗教施設、共同住宅、医療・福祉施設、 事務所、教育施設、リニューアル、PFI事業と幅広く手がけている。
大浜リゾートから発注を受けた大浜公園再整備工事では、PFI事業として述べ953.26㎡の工事を行なった。
(画像元: 平井工業WEBサイトより引用)土木施工では、道路・橋梁 、河川・海岸 、公共施設 、インフラメンテナンス(耐震・維持修繕)、造成・開発などを手がけており、近年では静岡市から受注した橋梁耐震補強補修工事や芝原排水機場整備工事をはじめ多数の実績を持つ。
アフターメンテナンスとして、引き渡しから定期的に実施する建物診断や耐震診断も事業として行なっており、改善計画や改修工事とあわせてワンストップで対応できることが強みだ。
7. 静鉄建設
1965年に設立された静鉄建設は、静岡市に本社を置く総合建設会社で、静岡鉄道グループの一員として、建築・土木・不動産関連事業などを幅広く展開し、地域のまちづくりに深く関わってきた。
建築分野では、住宅、商業施設、公共施設、オフィスビルなど多様な建物に対応し、設計・施工・管理まで一貫して手がける体制を持つ。
鉄道会社グループならではの都市整備や駅周辺開発などにも関わり、地域の景観や利便性向上に寄与してきた。梅ケ島新田温泉浴場浴室棟増築等の工事や、南沼上自治会館新築工事なども担当してきた。
(画像元:静鉄建設WEBサイトより引用)土木分野では、道路や造成工事などを通じてインフラ整備を支え、グループ全体のネットワークを活かした安定した事業基盤を築いている。
近年では、高松日ノ出町道路改良や、日本平動物園での散策路整備工事などを行なっている。
8. 鈴与建設
“総合建設プランナー”を銘打つ鈴与建設は、1949年の設立以来、静岡市を拠点に快適な社会環境を築き、生活文化を向上させていくことを目指して地域とともに歩んできた。
建設・ビルメンテナンス・警備事業などを展開する鈴与コンストラクションホールディングスの一員として、それぞれの独立性・専門性を活かしながら連携を図っていることが強みだ。
(画像元:鈴与建設WEBサイトより引用)プロジェクト一貫体制、物流オペレーションの研究と効率化提案によるプランニングなど、幅広い分野で高い技術とサービスを提供している。
土木工事ではICT技術も積極的に活用しており、測量から施工、検査まで、ドローンやレーザースキャナーによる3次元測量、3次元設計データ作成、ICT建機(マシンガイダンスやマシンコントロール)での施工、TSやGNSSを使った出来形管理まで、一連の作業をデジタル化している。
近年の施工実績として、清水立体事業の一環として尾羽地区にON・OFFランプを築造する工事、三井物産都市開発から受注したロジベース一宮の設計および施工、商業施設であるエスパルスドリームプラザPARK-sideの施工などがある。
9. グロージオ
グロージオは静岡県島田市を拠点に事業を展開する土木・建築業者で、1949年に創業した。2019年4月で創業70周年を迎えた企業だ。
規模の大小を問わず、住宅、商業施設、公共施設など幅広い分野の施工に関わり、地域のまちづくりを支えてきた。
(画像元:グロージオWEBサイトより引用)表彰歴も数多く、2025年には、令和5年473号道路改築工事が静岡県島田土木事務所長から優良工事に、令和5年ばらの丘急傾斜地崩壊対策が島田市長からそれぞれ表彰されている。
各部隔たりのない和気あいあいとした社風を特徴として、地元からの次世代の郷土づくりを担う人材募集にも力を注いでいる。
10. 臼幸産業
1907年に富士山のふもとで創業した臼幸産業は、建築、開発、土木、住宅事業を展開している。
富士山麓という自然環境と観光・産業の両面を併せ持つ地域特性の中で、同社は地域に根ざした事業を営んできた。
建築分野では、木造・鉄骨造・RC造など幅広い施工に対応しており、意匠性と機能性のバランスを重視し、使う人の視点に立った建物づくりを行っている。
(画像元:臼幸産業WEBサイトより引用)市役所や学校、駅をはじめとする公共施設や、意匠性の高いリゾートホテルや商業施設など、地域のランドマークとなる大型建造物の建築に多数携わっている。
早雲山バケーションレンタルホテルPJ新築工事、小山町役場本庁舎1階改修工事、高嶺の森のこども園などがその一例だ。
土地を用途に合わせて地盤から設計し、造成、建設を行っているため、開発事業として、調査・測量から造成土木工事、建設工事まで一貫して提案できることを強みとしている。
土木事業では、道路、河川、治山、造成など幅広い工事を手がけている。
ICT施工をはじめ、書類の電子化、リモートワークシステムなど、デジタル技術を活用し、業務効率化や現場の働きやすさ向上とともに、建築業のイメージ向上も目指している。
11. 天龍造園建設
1960年に設立された天龍造園建設は、浜松市に本社、東京と名古屋に支店を構える“緑化”に特化した企業だ。
公園、野球場や陸上競技場などのスポーツ施設、ホテルやビルの庭園など、土木工事を含めた総合的な造園工事を通して、都市のさまざまな場所で緑化空間を創出している。
(画像元:天龍造園建設WEBサイトより引用)創業当時から、造園と土木を融和させながら土木工事事業と造園緑化事業を展開しており、当時は東京オリンピックや後楽園球場、その後も上野公園や晴海埠頭公園など、首都圏での実績も数多い。
地元浜松市では、はままつフラワーパーク、東名高速道路など、大規模な建設工事にも参画しているほか、浜名湖花博、モザイカルチャー世界花博といったイベントでも活躍している。
近年では、施設管理・運営にも事業領域を広げており、静岡県営遠州灘海浜公園や夢の島区民農園の管理運営、別荘地みのりの村の管理・運営を行なうなど、地域で愛される場所の空間づくりを支えている点も特徴だ。
12. 常盤工業
1926年の左官業創業から成長と遂げてきた常盤工業は、浜松市を拠点とする総合建設会社だ。
近年の建築事業では、 浜松市浜北文化センター大規模改修工事、浜松市営住宅湖東団地C3 棟エレベーター棟増築工事、KIARA RESORT&SPA浜名湖増築工事などの実績がある。
土木事業では、橋梁耐震補強工事、推進工事、急傾斜地崩落防止工事をはじめ、道路や橋、水道管など幅広いインフラ整備を担っている。また、老朽化した建物などを対象としたCS建物再生事業も手がける。
(画像元:常盤工業WEBサイトより引用)若手人材を視野に入れたわかりやすい情報発信にも特徴があり、ウェブサイトでは、事業紹介ページで現場監督の仕事を説明したり、ゼネコンでどのような職種の人が働いているか紹介するページなどを設けている。
採用活動でも、選考とは別途社員とのランチやWebミーティングの要望に応えており、土木・建設業に関心を持つ人を歓迎する雰囲気と活気ある社風が伝わる企業だ。
13. 橋本組
2021年に創業100周年を迎えた橋本組は、焼津市に「社員全員で創る新本社プロジェクト」で新たに完成させた本社を置き、北海道から九州、世界でも事業を展開する企業だ。
株式会社橋本ホールディングスが本部機能を担っており、グループ企業間での連携が強みのひとつとなっている。
(画像元:橋本組WEBサイトより引用)とりわけ県中部地方の公共事業や、地場産業である水産加工業者向けの工場・倉庫の建設など、地域に密着したプロジェクトを創業から多数手がけている。
土木事業では、新東名高速道路や静岡空港などの大規模プロジェクト、宅地・工業団地の造成などの一般工事も手がけるほか、東日本大震災後の復興支援では早期から宮城県南三陸町、気仙沼市を中心として復興工事に携わってきた。
全旋回型280t吊りクレーンを保有しており、海洋土木事業でも幅広い分野に対応。
企画提案から設計、施工、メンテナンスまで一貫してサポートする建築事業では、食品工場、商業施設、宿泊・温浴・スポーツ施設、オフィス、クリニックなど、用途や規模を問わず工事を行なっている。
14. 金田組
静岡県掛川市を拠点とする金田組は、1915年の創業から培った土木事業のスキルを土台として、建築、不動産へと事業領域を拡大してきた。
中遠地域でも屈指の歴史を持つ老舗の建設会社だ。2016年にはM&Aにより丸山製茶株式会社を核とする丸山グループの傘下に入っている。
(画像元:金田組WEBサイトより引用)土木事業では、道路、造成、橋梁、解体、外構などの公共工事と、宅地開発や外構工事といった民間工事を行なっている。
建築事業では、大型施設、倉庫、工場、事務所、商業用冷蔵庫、賃貸マンションなどの設計・施工、地元建築家との協業による戸建て注文住宅の設計・施工、リフォーム・リノベーションを手がける。
施工事例として、掛川市農協協同組合西南郷支所建設工事、綱川橋耐震補強工事、きみくらカフェ新築工事などがある。
15. 加和太建設
1946年に設立された加和太建設は、土木・建築の施工を核としながら、まちづくり事業で存在感を放つ企業だ。
2024年に生まれ変わった静岡県三島市の本社社屋は、全国の建設会社とスタートアップ企業をつなぐ交流拠点、三島や静岡県東部のまちづくりを後押しする学び・出会いの場としての機能を備えている。
2018年からプロジェクトをスタートさせ、金沢21世紀美術館(SANAAとして)や十和田市現代美術館の設計を行なった西沢立衛が設計を担当した。
(画像元:加和太建設WEBサイトより引用)静岡県東部で道路、橋梁、河川、上下水道、砂防堰堤、宅地造成、圃場整備などのインフラ整備を70年以上支えてきた。建設DX推進チームを設けており、2024年には中部DX大賞敢闘賞を受賞している。
建築では静岡県以外での施工実績も数多く、品川区の喜多六平太記念能楽堂耐震改修、文京区の千駄木大正モダンプロジェクトなども手がけている。
建設テックを推進するSaaS事業や、2022年にスタートさせた建設DXコミュニティ「ON-SITE X」も特筆すべき取り組みだ。
さらに、三島駅・三島広小路駅・三嶋大社を結ぶ「まちなかエリア」で空き店舗やビルをオフィスに生まれ変わらせたり、築古物件を個性的な住居として再生するといった「まちなか開発」も行なっているほか、道の駅伊豆ゲートウェイ函南などの施設運営、シェアサイクルサービスの運営、三島のまちの魅力を発信するデジタルサービスmishima good passもリリースしている。
WRITTEN by
國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。