福井県の土木・建設業界では、北陸特有の自然環境を背景に、地域密着で発展してきた企業が数多く存在する。
豪雪地帯であるため、道路・橋梁・河川といった公共インフラの維持管理が常に重要課題となっており、除雪を含む道路維持、雪害対策、斜面防災などに高い技術力が求められてきた。また、日本海に面した地形から、港湾整備や海岸保全も主要な事業領域だ。
一方で、都市規模がコンパクトであるため、建築分野では、住宅・福祉施設・商業施設の新築・改修に関わる企業も多く、地域との長期的な信頼関係を強みとしている。
近年では、2024年に北陸新幹線の金沢と敦賀を結ぶ区間が開業し、開発需要も発生した。企業誘致を見据えた造成工事など、延伸にともなって民間・官公庁双方で多様な案件が引き続き動いている点も特徴だ。
福井県土木管理課では、技術管理・建設DXグループを置いており、自然災害の頻発化・激甚化や、インフラ施設の老朽化などの一方で、建設業の担い手が減少している状況に対応するため、建設DXの推進によって生産性の向上を図っている。
産学官のメンバーからなる「福井県建設DX推進連絡協議会」では、それぞれの課題を共有し、計画的に建設DXを推進するための行動計画を策定しているところだ。
本記事では、そんな福井県の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
石黒建設は、1893年に北陸鉄道の建設計画をふまえて煉瓦事業で創業、1948年に会社を創立した130年以上の歴史を持つ老舗総合建設企業だ。
公共土木工事および建築工事を柱に、さらに不動産の売買・賃貸管理や、砂利採取・セメント販売も手がけており、ワンストップで対応可能な総合力を強みに、多角的に事業を展開している。
(画像元:石黒建設WEBサイトより引用)
近年では、北陸3県および関東・関西圏にまたがる営業ネットワークを活かし、ICT を活用した施工や大型インフラ整備、病院や公共施設の建築案件など、多様なプロジェクトを手がけている土木・建築それぞれの専門技術と施工管理資格を持つ技術者が多く在籍することで、高い品質管理と施工力を維持している。
工事実績として、福井県のひかりヘルスケア病院、石川県の能見根上スマートインターチェンジやKUMU金沢、富山県の水谷第3号砂防堰堤などがある。
1971年に設立された塩浜工業は、福井県敦賀市を拠点に、建築、土木、不動産開発を幅広く手がける総合建設会社だ。
“鉄の塩浜”の異名を持ち、特殊鋼造技術、免震・制震・耐震技術をもとに、東京スカイツリーのような大型建造物から、トンネル、道路、商業施設などを、現地調査から設計、施工、保守まで一貫して対応している。

建築第1事業では、免震技術を取り入れた高度な設計・施工技術で、敦賀市消防防災館、岐阜薬科大学、名古屋市東部医療センターをはじめとする数多くの免震施工を手がけるなど、安全性と快適性に優れた施工を行なっている。
大型構造物の施工を行なう建築第2事業では、鉄鋼を扱う専門技術者の集合体として、駅や空港、高層建築などの大型案件を数多く担当している。
代表的なプロジェクトとして、東京スカイツリーのほか、横浜福浦物流センター、LOGI FLAG DRY&COLD仙台泉I、ロジスクエア一宮、多賀スマートインターチェンジ、常神トンネル常神工区がある。
1935年創業の関組は、越前市を拠点に土木・港湾・建築分野で事業を展開する総合建設業者だ。
治山事業、河川改修、道路改良、圃場整備、復旧工事まで手がける土木・舗装事業では、自然災害から流域住民を守り、住みやすい地域をつくることを使命としている。
実績として、道路改良工事(仮称)白粟トンネル、原子力災害制圧道路等整備工事(仮称)神野難波江トンネル難波江工区などがある。
(画像元:関組WEBサイトより引用)
また、多数の工事用船舶を保有しており、敦賀港をはじめとした港湾工事、港湾荷役、サルベージ、曳船タグ作業も行なっている。
日本有数の漁場である福井県沖を有する地域として、安全で充実した漁港への整備にも積極的に参加してきた。
建築事業では、教育・公共施設から住宅まで幅広く手がけており、近年の実績として、武生商工高校商業棟(仮称)建築新築工事や福井県今立郡のおもちゃランド整備工事などがある。
DX推進にも力を注いでおり、「令和7年度 ICT人材育成推進企業」として、福井県内で初の認定を受けたほか、経済産業省から「DX認定事業者」の認定も受けている。
福井市に本社を置く大貴建設は、1967年の創業から50年以上にわたり、土木工事、建築工事で地域社会に貢献してきた企業だ。
土木施工管理技士をはじめ、多数の職員が資格を取得しており、高い専門性を活かして業務に当たっている。
(画像元:大貴建設WEBサイトより引用)
これまでの実績として、九頭竜川下流農業水利事業左岸幹線用水路付帯その1工事、福井運動公園整備事業 外構その61工事などがある。
また、2023年には、障害児通所支援事業として児童発達支援・放課後等デイサービスを開所しており、事業領域に縛られず地域への貢献を広げていることも特徴だ。
1960年、それまで行なっていた木材業に建設業を加えて創業した前田産業は、その後、舗装工事にも分野を広げ、総合建設業として地域とともに発展を遂げてきた。
新工法の開発、作業管理のIT化、リサイクル資材の活用などに対応しながら、留まることなく時代とともに歩みを進めている企業だ。
(画像元:前田産業WEBサイトより引用)
建築事業では、コンセプトとアイデンティのある建築物をモットーに、快適で機能的、かつ個性ある生活を形づくる仕事を手がけている。これまでの実績として、福井駅、敦賀駅、福井県内のレインボーライン山頂公園などがある。
また、土木事業では、建設ICTを活用し、3次元データの作成とそれをもとにした建設機械での施工を行なっている。
1955年に鉄工所として創業し、1974年には株式会社へと組織変革した丹羽建設鋼業は、福井県鯖江市に拠点を置く企業だ。
福井県内すべてを営業範囲とする建築部では、公共施設から工場やオフィス、店舗、住宅などを幅広く手がけている。
これまでの実績として、幸若文化情報センター新築工事や、朝日町植物園建設工事、鯖江丹生消防組合朝日分遺所新築工事などがある。
同じく県内で事業を展開する土木部では、公共工事を中心として、民間の造成工事、埋立工事も行なっている。
(画像元:丹羽建設鋼業WEBサイトより引用)
また、創業以来培ってきた高い技術力を持つ鋼造部は、北陸エリアだけでなく、大阪や名古屋など全国に展開している。
自社の鋼加工工場は、国土交通大臣認定でHグレードと高く評価された工場で、月産700tの加工能力を誇る。
坂川建設は、福井市に本社を置き、土木工事、建築工事、システム建築など幅広い工種に対応する地域密着の建設会社である。
1910年の創業以来、110年以上にわたって培ってきた技術と地元からの信頼のもと、土木ではトンネル、道路、橋梁、河川、ダム、整地など、建築では個人住宅、店舗、工場、寺社仏閣などを手がける。
(画像元:坂川建設WEBサイトより引用)
土木工事の実績としては、GFC越前リゾート建設工事、八乙女頭首工建設工事、福井県庁の御本城橋架替工事、若狭舞鶴自動車道敦賀南スマートIC工事、内浦トンネル工事(音海工区・田ノ浦工区)などがある。
建築工事では、福井城御廊下橋の復元工事、福井県立病院整備事業による第二期建設工事、一乗谷朝倉氏庭園朝倉館跡の再整備工事などを行なってきた。
公共工事をはじめとするビッグプロジェクトから、小さな修繕や施設整備、民間案件まで受け止められる柔軟性を持ち、地域の建設パートナーとして役割を果たしている。
1971年に設立された江川組は、土木工事、産業廃棄物中間処理業を営む企業だ。
土木工事では、公共事業の土木一式工事を請け負っており、パイプライン工事、下水道工事、河川工事、道路改良工事、排水設備工事を手がけている。

また、本社と同じく福井県坂井市内に、がれき中間処理場、建設汚泥中間処理場を構えており、コンクリートガラ、アスファルトガラ、建設発生土、建設汚泥を受け入れるほか、改良土などの販売を行っている。
人口減少やインフラ老朽化が課題となっている福井県において、地域の安心と暮らしを支える建設パートナーとしての役割を果たし続けている。
グリーンシェルターは、福井、東京、石巻、広島に拠点を構え、グリーンシェルターグループとして事業を展開している。
1970年に福井県内のゴルフ場メンテナンスの請負業からスタートした企業で、建設業を柱として、造園メンテナンス事業、警備事業、自然エネルギー事業などを手がけている。
(画像元:グリーンシェルターWEBサイトより引用)
建築部門では、土木工事、舗装工事、造園工事、建築工事を行なっており、業務効率化を目指してICT施工を取り入れはじめているところだ。
また、高速メンテナンス部門では、福井県内各所に4基地を設置し、冬季の降雪に備えて除雪隊を配備しているほか、造園メンテナンス部門では、施設や公園などの樹木維持管理を行なっている。
加えて、指定管理事業として、ふくい健康の森、福井県陶芸館といった施設を指定管理で運営していることも特徴だ。
道端組の歴史は、1915年に砂利採取及び川砂運搬業を個人企業として創業したことにさかのぼる。
その後、1959年には創業者である道端茂蔵氏が黄綬褒章を受章するなど、地域の発展に大きく貢献する実績を重ねながら、まちとともに成長を続けてきた。
(画像元: 道端組WEBサイトより引用)
土木工事部では、長野オリンピックのボブスレー競技台や阪神大震災復興工事、大本山永平寺・寂光苑、最近では北陸新幹線小坂工区や中部縦貫自動車道、九頭竜川下流パイプライン工事など、県内トップレベルの実績を誇っている。
そのほか、建築工事部、舗装工事部、プラント事業部でサービスを提供しているほか、アスファルト工場、汚泥処理施設・機材センターを構えている。
また、UAV測量に力を注いでおり、国交省発注のICT活用工事では、3次元設計データ作成からUAVによる航空測量、点群処理、3次元出来形管理まですべて自社で手がけ、同業他社へのi-Construction導入支援も行なっている。
高野組は、1954年の創業以来、福井県越前市を拠点に土木・建築工事などを手がけ、砕石販売事業、不動産事業まで幅広く展開している。
社員の資格取得支援や取得後の優遇制度などを通して育成した高い技術力、地震・台風・集中豪雨などの自然災害に第一線で対応してきた機動力、そして地元の人々とともに歩む地域密着の姿勢を強みとしている。
(画像元:高野組WEBサイトより引用)
土木事業では、これまでの実績として、足羽川ダムの改良工事、北陸新幹線越前たけふ駅周辺整備事業、河野漁港第3船揚場機能保全工事などがある。
また、建築事業の実績としては、越前町役場庁舎建設(建築・電気設備)工事、道の駅越前たけふ建設工事などがある。
新たな人材確保と育成にも力を注いでおり、公式サイトでは、土木技術職、土木技能職、建築技術職、建設ディレクター、事務職と、各職種の解説をわかりやすく紹介している。
1960年に福井県鯖江市で創業した清水組は、土木工事業、舗装工事業、管工事業、建築工事業、造園工事業、アスファルト製造業、産業廃棄物処理業とさまざまな分野に事業拡大を続け、住環境とインフラ基盤の両面で地域を支えてきた。
(画像元:清水組WEBサイトより引用)
埋め立て、土木、上下水道、舗装、建築工事など、多岐にわたるプロジェクトを一括で施工する総合力が強みで、プロジェクト管理を効率化することにより、低予算と短納期を実現させている。また、自社でアスファルトプラントを運営していることも特徴だ。
i-Constructionに対応したバックホウやブルドーザー、UAV(ドローン)を導入しており、ICTの積極的な活用によって生産性向上を図っている。
施工実績として、土木では北陸新幹線の九頭竜川橋りょう工事、国道8号彦根草津内橋梁補修工事、建築では福井県の鯖江青年の家や同じく鯖江市の中学校耐震工事などがある。
2025年現在、9年連続で国土交通省近畿地方整備局から工事成績優秀企業認定を受けており、高い技術力が評価され続けている。
企業テーマとして“夢の想像力 街の創造力”を掲げ、“1mmの精度を極める技術集団”を銘打つ木下工業は、1947年に創業し、鉄骨・建築・橋梁の3領域で事業を展開している。
社会インフラを支える基幹である鉄骨を柱としており、福井県を中心に関西などにも事業フィールドを広げながら、1000tを超える工事を17件、500〜1000tの工事を14件手がけている。
(画像元:木下工業WEBサイトより引用)
2023年には本社を移転、企業リブランディングを行なった。最新機器やデザイン性に富んだ職場環境を整備し、新工場と新社屋は、魅せる鉄骨ファブ工場であることや業界の3Kイメージを払拭する快適な環境が評価され、2024年度のグッドデザイン賞も受賞している。
1961年に酒伊不動産として創業したサカイ建設不動産は、一般建築部門、住宅部門、不動産部門からなる建設業者として実績を重ねてきた。1976年からは造園工事業、内装仕上業、1980年には土木工事業の登録を受け、徐々に事業を拡大してきた。
また、繊維加工メーカーサカイオーベックスのグループ企業として、工場や倉庫の計画、設計、施工、メンテナンスに長年に携わってきたという一面も持つ企業だ。

公共建築の実績では、福井県立大学、福井保健所、鯖江市嚮陽会館など、地元に根差した建築工事を数多く手がけている。
そのほか、住宅・マンション、医院・福祉施設、事務所・店舗などの建築を幅広く行なう。
1968年に設立された平川は、施工管理から機械施工、構造物施工まで、ワンストップで対応する総合建設会社だ。
ダンプやクレーン、アスファルトフィニッシャーなど、多数の設備・機械を保有していることを強みのひとつとしている。
施工実績として、福井県内の柿ヶ渡新線、原子力災害制圧道路等整備事業などがある。
(画像元:平川WEBサイトより引用)
平川では、建設ディレクターなどの資格取得を全面的にバックアップしており、福井県の補助に加えて、学費を会社で全額負担するなど、従業員のスキルアップを応援する体制が整っている。
また、若手人材の確保を目指して、公式サイトでは土木技術者見習いの1日を、出勤から朝礼、自動追尾トータルステーションでの測量といった具体的な業務例、退勤まで紹介するなど、情報発信にも力を注いでいる。
豪雪地帯であるため、道路・橋梁・河川といった公共インフラの維持管理が常に重要課題となっており、除雪を含む道路維持、雪害対策、斜面防災などに高い技術力が求められてきた。また、日本海に面した地形から、港湾整備や海岸保全も主要な事業領域だ。
一方で、都市規模がコンパクトであるため、建築分野では、住宅・福祉施設・商業施設の新築・改修に関わる企業も多く、地域との長期的な信頼関係を強みとしている。
近年では、2024年に北陸新幹線の金沢と敦賀を結ぶ区間が開業し、開発需要も発生した。企業誘致を見据えた造成工事など、延伸にともなって民間・官公庁双方で多様な案件が引き続き動いている点も特徴だ。
福井県土木管理課では、技術管理・建設DXグループを置いており、自然災害の頻発化・激甚化や、インフラ施設の老朽化などの一方で、建設業の担い手が減少している状況に対応するため、建設DXの推進によって生産性の向上を図っている。
産学官のメンバーからなる「福井県建設DX推進連絡協議会」では、それぞれの課題を共有し、計画的に建設DXを推進するための行動計画を策定しているところだ。
本記事では、そんな福井県の総合土木・建設業界の最前線にいる15社を紹介する。各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 石黒建設
石黒建設は、1893年に北陸鉄道の建設計画をふまえて煉瓦事業で創業、1948年に会社を創立した130年以上の歴史を持つ老舗総合建設企業だ。
公共土木工事および建築工事を柱に、さらに不動産の売買・賃貸管理や、砂利採取・セメント販売も手がけており、ワンストップで対応可能な総合力を強みに、多角的に事業を展開している。
(画像元:石黒建設WEBサイトより引用)近年では、北陸3県および関東・関西圏にまたがる営業ネットワークを活かし、ICT を活用した施工や大型インフラ整備、病院や公共施設の建築案件など、多様なプロジェクトを手がけている土木・建築それぞれの専門技術と施工管理資格を持つ技術者が多く在籍することで、高い品質管理と施工力を維持している。
工事実績として、福井県のひかりヘルスケア病院、石川県の能見根上スマートインターチェンジやKUMU金沢、富山県の水谷第3号砂防堰堤などがある。
2. 塩浜工業
1971年に設立された塩浜工業は、福井県敦賀市を拠点に、建築、土木、不動産開発を幅広く手がける総合建設会社だ。
“鉄の塩浜”の異名を持ち、特殊鋼造技術、免震・制震・耐震技術をもとに、東京スカイツリーのような大型建造物から、トンネル、道路、商業施設などを、現地調査から設計、施工、保守まで一貫して対応している。

(画像元:塩浜工業WEBサイトより引用)
建築第1事業では、免震技術を取り入れた高度な設計・施工技術で、敦賀市消防防災館、岐阜薬科大学、名古屋市東部医療センターをはじめとする数多くの免震施工を手がけるなど、安全性と快適性に優れた施工を行なっている。
大型構造物の施工を行なう建築第2事業では、鉄鋼を扱う専門技術者の集合体として、駅や空港、高層建築などの大型案件を数多く担当している。
代表的なプロジェクトとして、東京スカイツリーのほか、横浜福浦物流センター、LOGI FLAG DRY&COLD仙台泉I、ロジスクエア一宮、多賀スマートインターチェンジ、常神トンネル常神工区がある。
3. 関組
1935年創業の関組は、越前市を拠点に土木・港湾・建築分野で事業を展開する総合建設業者だ。
治山事業、河川改修、道路改良、圃場整備、復旧工事まで手がける土木・舗装事業では、自然災害から流域住民を守り、住みやすい地域をつくることを使命としている。
実績として、道路改良工事(仮称)白粟トンネル、原子力災害制圧道路等整備工事(仮称)神野難波江トンネル難波江工区などがある。
(画像元:関組WEBサイトより引用)また、多数の工事用船舶を保有しており、敦賀港をはじめとした港湾工事、港湾荷役、サルベージ、曳船タグ作業も行なっている。
日本有数の漁場である福井県沖を有する地域として、安全で充実した漁港への整備にも積極的に参加してきた。
建築事業では、教育・公共施設から住宅まで幅広く手がけており、近年の実績として、武生商工高校商業棟(仮称)建築新築工事や福井県今立郡のおもちゃランド整備工事などがある。
DX推進にも力を注いでおり、「令和7年度 ICT人材育成推進企業」として、福井県内で初の認定を受けたほか、経済産業省から「DX認定事業者」の認定も受けている。
4. 大貴建設
福井市に本社を置く大貴建設は、1967年の創業から50年以上にわたり、土木工事、建築工事で地域社会に貢献してきた企業だ。
土木施工管理技士をはじめ、多数の職員が資格を取得しており、高い専門性を活かして業務に当たっている。
(画像元:大貴建設WEBサイトより引用)これまでの実績として、九頭竜川下流農業水利事業左岸幹線用水路付帯その1工事、福井運動公園整備事業 外構その61工事などがある。
また、2023年には、障害児通所支援事業として児童発達支援・放課後等デイサービスを開所しており、事業領域に縛られず地域への貢献を広げていることも特徴だ。
5. 前田産業
1960年、それまで行なっていた木材業に建設業を加えて創業した前田産業は、その後、舗装工事にも分野を広げ、総合建設業として地域とともに発展を遂げてきた。
新工法の開発、作業管理のIT化、リサイクル資材の活用などに対応しながら、留まることなく時代とともに歩みを進めている企業だ。
(画像元:前田産業WEBサイトより引用)建築事業では、コンセプトとアイデンティのある建築物をモットーに、快適で機能的、かつ個性ある生活を形づくる仕事を手がけている。これまでの実績として、福井駅、敦賀駅、福井県内のレインボーライン山頂公園などがある。
また、土木事業では、建設ICTを活用し、3次元データの作成とそれをもとにした建設機械での施工を行なっている。
6. 丹羽建設鋼業
1955年に鉄工所として創業し、1974年には株式会社へと組織変革した丹羽建設鋼業は、福井県鯖江市に拠点を置く企業だ。
福井県内すべてを営業範囲とする建築部では、公共施設から工場やオフィス、店舗、住宅などを幅広く手がけている。
これまでの実績として、幸若文化情報センター新築工事や、朝日町植物園建設工事、鯖江丹生消防組合朝日分遺所新築工事などがある。
同じく県内で事業を展開する土木部では、公共工事を中心として、民間の造成工事、埋立工事も行なっている。
(画像元:丹羽建設鋼業WEBサイトより引用)また、創業以来培ってきた高い技術力を持つ鋼造部は、北陸エリアだけでなく、大阪や名古屋など全国に展開している。
自社の鋼加工工場は、国土交通大臣認定でHグレードと高く評価された工場で、月産700tの加工能力を誇る。
7. 坂川建設
坂川建設は、福井市に本社を置き、土木工事、建築工事、システム建築など幅広い工種に対応する地域密着の建設会社である。
1910年の創業以来、110年以上にわたって培ってきた技術と地元からの信頼のもと、土木ではトンネル、道路、橋梁、河川、ダム、整地など、建築では個人住宅、店舗、工場、寺社仏閣などを手がける。
(画像元:坂川建設WEBサイトより引用)土木工事の実績としては、GFC越前リゾート建設工事、八乙女頭首工建設工事、福井県庁の御本城橋架替工事、若狭舞鶴自動車道敦賀南スマートIC工事、内浦トンネル工事(音海工区・田ノ浦工区)などがある。
建築工事では、福井城御廊下橋の復元工事、福井県立病院整備事業による第二期建設工事、一乗谷朝倉氏庭園朝倉館跡の再整備工事などを行なってきた。
公共工事をはじめとするビッグプロジェクトから、小さな修繕や施設整備、民間案件まで受け止められる柔軟性を持ち、地域の建設パートナーとして役割を果たしている。
8. 江川組
1971年に設立された江川組は、土木工事、産業廃棄物中間処理業を営む企業だ。
土木工事では、公共事業の土木一式工事を請け負っており、パイプライン工事、下水道工事、河川工事、道路改良工事、排水設備工事を手がけている。

(画像元:江川組WEBサイトより引用)
また、本社と同じく福井県坂井市内に、がれき中間処理場、建設汚泥中間処理場を構えており、コンクリートガラ、アスファルトガラ、建設発生土、建設汚泥を受け入れるほか、改良土などの販売を行っている。
人口減少やインフラ老朽化が課題となっている福井県において、地域の安心と暮らしを支える建設パートナーとしての役割を果たし続けている。
9. グリーンシェルター
グリーンシェルターは、福井、東京、石巻、広島に拠点を構え、グリーンシェルターグループとして事業を展開している。
1970年に福井県内のゴルフ場メンテナンスの請負業からスタートした企業で、建設業を柱として、造園メンテナンス事業、警備事業、自然エネルギー事業などを手がけている。
(画像元:グリーンシェルターWEBサイトより引用)建築部門では、土木工事、舗装工事、造園工事、建築工事を行なっており、業務効率化を目指してICT施工を取り入れはじめているところだ。
また、高速メンテナンス部門では、福井県内各所に4基地を設置し、冬季の降雪に備えて除雪隊を配備しているほか、造園メンテナンス部門では、施設や公園などの樹木維持管理を行なっている。
加えて、指定管理事業として、ふくい健康の森、福井県陶芸館といった施設を指定管理で運営していることも特徴だ。
10. 道端組
道端組の歴史は、1915年に砂利採取及び川砂運搬業を個人企業として創業したことにさかのぼる。
その後、1959年には創業者である道端茂蔵氏が黄綬褒章を受章するなど、地域の発展に大きく貢献する実績を重ねながら、まちとともに成長を続けてきた。
(画像元: 道端組WEBサイトより引用)土木工事部では、長野オリンピックのボブスレー競技台や阪神大震災復興工事、大本山永平寺・寂光苑、最近では北陸新幹線小坂工区や中部縦貫自動車道、九頭竜川下流パイプライン工事など、県内トップレベルの実績を誇っている。
そのほか、建築工事部、舗装工事部、プラント事業部でサービスを提供しているほか、アスファルト工場、汚泥処理施設・機材センターを構えている。
また、UAV測量に力を注いでおり、国交省発注のICT活用工事では、3次元設計データ作成からUAVによる航空測量、点群処理、3次元出来形管理まですべて自社で手がけ、同業他社へのi-Construction導入支援も行なっている。
11. 高野組
高野組は、1954年の創業以来、福井県越前市を拠点に土木・建築工事などを手がけ、砕石販売事業、不動産事業まで幅広く展開している。
社員の資格取得支援や取得後の優遇制度などを通して育成した高い技術力、地震・台風・集中豪雨などの自然災害に第一線で対応してきた機動力、そして地元の人々とともに歩む地域密着の姿勢を強みとしている。
(画像元:高野組WEBサイトより引用)土木事業では、これまでの実績として、足羽川ダムの改良工事、北陸新幹線越前たけふ駅周辺整備事業、河野漁港第3船揚場機能保全工事などがある。
また、建築事業の実績としては、越前町役場庁舎建設(建築・電気設備)工事、道の駅越前たけふ建設工事などがある。
新たな人材確保と育成にも力を注いでおり、公式サイトでは、土木技術職、土木技能職、建築技術職、建設ディレクター、事務職と、各職種の解説をわかりやすく紹介している。
12. 清水組
1960年に福井県鯖江市で創業した清水組は、土木工事業、舗装工事業、管工事業、建築工事業、造園工事業、アスファルト製造業、産業廃棄物処理業とさまざまな分野に事業拡大を続け、住環境とインフラ基盤の両面で地域を支えてきた。
(画像元:清水組WEBサイトより引用)埋め立て、土木、上下水道、舗装、建築工事など、多岐にわたるプロジェクトを一括で施工する総合力が強みで、プロジェクト管理を効率化することにより、低予算と短納期を実現させている。また、自社でアスファルトプラントを運営していることも特徴だ。
i-Constructionに対応したバックホウやブルドーザー、UAV(ドローン)を導入しており、ICTの積極的な活用によって生産性向上を図っている。
施工実績として、土木では北陸新幹線の九頭竜川橋りょう工事、国道8号彦根草津内橋梁補修工事、建築では福井県の鯖江青年の家や同じく鯖江市の中学校耐震工事などがある。
2025年現在、9年連続で国土交通省近畿地方整備局から工事成績優秀企業認定を受けており、高い技術力が評価され続けている。
13. 木下工業
企業テーマとして“夢の想像力 街の創造力”を掲げ、“1mmの精度を極める技術集団”を銘打つ木下工業は、1947年に創業し、鉄骨・建築・橋梁の3領域で事業を展開している。
社会インフラを支える基幹である鉄骨を柱としており、福井県を中心に関西などにも事業フィールドを広げながら、1000tを超える工事を17件、500〜1000tの工事を14件手がけている。
(画像元:木下工業WEBサイトより引用)2023年には本社を移転、企業リブランディングを行なった。最新機器やデザイン性に富んだ職場環境を整備し、新工場と新社屋は、魅せる鉄骨ファブ工場であることや業界の3Kイメージを払拭する快適な環境が評価され、2024年度のグッドデザイン賞も受賞している。
14. サカイ建設不動産
1961年に酒伊不動産として創業したサカイ建設不動産は、一般建築部門、住宅部門、不動産部門からなる建設業者として実績を重ねてきた。1976年からは造園工事業、内装仕上業、1980年には土木工事業の登録を受け、徐々に事業を拡大してきた。
また、繊維加工メーカーサカイオーベックスのグループ企業として、工場や倉庫の計画、設計、施工、メンテナンスに長年に携わってきたという一面も持つ企業だ。

(画像元:サカイ建設不動産WEBサイトより引用)
公共建築の実績では、福井県立大学、福井保健所、鯖江市嚮陽会館など、地元に根差した建築工事を数多く手がけている。
そのほか、住宅・マンション、医院・福祉施設、事務所・店舗などの建築を幅広く行なう。
15. 平川
1968年に設立された平川は、施工管理から機械施工、構造物施工まで、ワンストップで対応する総合建設会社だ。
ダンプやクレーン、アスファルトフィニッシャーなど、多数の設備・機械を保有していることを強みのひとつとしている。
施工実績として、福井県内の柿ヶ渡新線、原子力災害制圧道路等整備事業などがある。
(画像元:平川WEBサイトより引用)平川では、建設ディレクターなどの資格取得を全面的にバックアップしており、福井県の補助に加えて、学費を会社で全額負担するなど、従業員のスキルアップを応援する体制が整っている。
また、若手人材の確保を目指して、公式サイトでは土木技術者見習いの1日を、出勤から朝礼、自動追尾トータルステーションでの測量といった具体的な業務例、退勤まで紹介するなど、情報発信にも力を注いでいる。
WRITTEN by
國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。