
秩父山地と、その高い尾根に囲まれた秩父盆地、豊富な河川を有する埼玉県。さいたま新都心をはじめとする市街地から、農業が盛んで住宅も多い平地まで、多彩な環境での土木・建設工事に加え、東京に隣接する県として、都心の発展に貢献する企業も多い。
そんな埼玉県の県土整備政策課は、建設DX推進担当を置き、DXへの取り組みを加速させている。
工事立ち会いや業務委託の打ち合わせでの遠隔臨場、遠隔検査を2024年10月から導入し、さらに、2025年4月1日以降に県土整備部と都市整備部が公告する発注案件については、オンライン電子納品ができる体制を本格スタートさせている。
情報共有システムを整備したことによって、着手から工事、納品業務まで、一貫して電子データでやり取りできるようになった。
また、担い手の高齢化や若手の確保・育成を目的に、建設工事現場での週休2日制定着を目指したモデル工事を実施したり、建設キャリアアップシステム(CCUS)を導入するなど、土木・建設業界を高い技術と職場環境で維持するための県をあげた試みが目立つ。
本記事では、そんな埼玉県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。
各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1914年に古郡工務所として創業した古郡建設は、埼玉県深谷市に本社を置き、総合建設業を主軸に事業を展開している。
埼玉の土木・建設業界でトップを走る企業のひとつであり、工事以外の取り組みにも特徴がある。例えば、デザインマネジメント部を置き、ウェブサイトやSNSでの情報発信にも力を入れている。
(画像:古都建設WEBサイト)
また、2021年に本社内の運動施設をトレーニングルーム「A13 PARK」としてリニューアルしたり、「地域の中で身近に役立てることは?」という発想から、道路のゴミ拾いや緑化を行う「道路の里親活動」などを実施している。
そうした取り組みを他社に紹介し、情報交換を行うため、ブランディング視察・会社見学を随時受け入れている。
工事については、近年も国土交通省の「工事成績優秀企業局長認定」、土木事業では8 期連続で「工事成績優秀企業局長認定」を取得するなど、高い評価を受けている。
近年の代表的な施工事例としては、深谷市新庁舎建設第二期工事、こども動物自然公園野外ステージテント設置工事などがあり、官公庁から民間、大規模建設から店舗や福祉施設、事業所まで、幅広く手がけている。
金杉建設は、埼玉県東部を拠点として公共工事を行う総合建設会社だ。
1950年の設立以来、河川、道路、橋梁、上下水道、耐震補強工事など、土木工事全般をフィールドとして、高い技術力で地域の暮らしと産業を支える環境整備に貢献してきた。
(画像:金杉建設WEBサイト)
ICT建機の保有、オペレーション、データ作成・分析、施工管理まで自社内で完結できる体制をいち早く構築しており、i-Constructionへの取り組みで業界をリードする企業のひとつといえる。2024年には、埼玉県DX推進支援ネットワークに先進的な取組事例として紹介されている。
東京都内でも多数の工事を手がけており、国土交通省江戸川河川事務所が、最新の建設技術を活用する「江戸川DXプロジェクト」をスタートさせた際には、施工する現場内でICT建機を駆使し、「江戸川DX START」のメッセージを河川敷に描いたことでも話題を呼んでいる。
1963年に田中土建として創業し、1969年に法人化した田中建設は、埼玉北部西部エリアを拠点に土木・建築工事を請負っている総合建設業者だ。
建築事業、土木事業、不動産事業、エネルギー事業の4本柱で事業を展開している。
(画像:田中工業WEBサイト)
建築事業では、マンション集合住宅、学校教育施設、公共庁舎、店舗事務所倉庫、福祉医療施設、戸建住宅まで幅広く手がけている。施工実績には、UR団地、小学校、公民館などが数多く見られる。
土木事業では、道路、造成、上下水道、河川砂防、橋梁などの工事を行なっている。
また、2016年には工場改修工事の専門窓口を立ち上げ、総合建設業者の強みを活かして建物の長寿命化へのニーズに応えている。
1905年の創業から100年以上の歴史を持つ島田建設工業は、埼玉県を代表する老舗企業だ。
埼玉県を中心としつつ、東京都北区にも支店を構えており、幅広く道路や橋梁、上下水道、河川といったインフラの整備事業を行っている。
(画像:島田建設工業WEBサイト)
国土交通省、埼玉県、埼玉県内各市町村を主な発注先として、優秀工事施工業者などとして数多くの表彰歴を誇る。
例えば、赤山歴史自然公園水路付替工事では、現場が湿地帯であるという課題に対し、既設の水路をBOXカルバート(箱型のコンクリート構造物)に付替して造成工事を行うなど、現場ごとに高い技術力で最適解を導き出して工事に取り組んでいる。
また、辿ってきた歴史を漫画と写真で紹介するパンフレットを制作したり、若手社員のインタビューを新卒採用サイトに掲載するなど、新たな人材確保にも力を注いでいる。
埼玉県さいたま市を拠点とする和光建設は、1946年に創業した総合建設会社だ。
民間工事から公共工事まで幅広く手がけており、設計・工事・不動産開発室の3部門の連携力を武器に、設計から施工・アフターサービスまで一貫したサポートを提供している。
(画像:和光建設WEBサイト)
建築部門では、商用ビル、工場、幼稚園や老人介護施設、病院、寺院などを手がける。土木部門では、橋梁工事、河川改修、幹線道路、上下水道関連施設などの社会インフラを多数施工してきた。
施工実績として、初めてICT施工を導入した埼玉県の大和田特定土地区画整理事業小学校用地整地工事、そのほか鴻巣市立中学校給食センター新築工事などがある。
1945年に創業、3年後に法人化した岩堀建設は、「生楽以業 ~仕事を通じて楽しく生きる〜」を社訓とする企業だ。
創業以来、観光地としても歴史ある埼玉県川越市に拠点を置き、地元に根付いた工事を手がけてきた。
(画像:岩堀建設WEBサイト)
近年では、新たな試みとして、CM(Construction Management)事業にも取り組んでいる。
建設発注者から準委任を受けた管理者が、土地の有効活用などの相談から、企画、基本設計、施工業者選定、施工、完成後の運営まで、中立的に全体を調整する事業で、これまでに病院の増築で管理者の役割を担ってプロジェクトを完走させている。
近年の代表的な施工実績としては、初めて伝統技法に取り組んだ川越市指定文化財(旧栄養食配給所)の復元、川口駅前のランドマーク「U-PLACE」の施工などがある。
埼玉県、群馬県でホテル経営も行うなど、建設にとどまらず、広くまちづくりに関わっていることも特徴だ。
埼玉県熊谷市に本社を置くケージーエムは、1868年の個人創業ののち、1954年には株式会社小林組に、そして2005年に現在の社名へと移り変わってきた。
明治時代の荒川大橋修築工事を手がけるなど、150年を超える歴史の中で地域の発展に絶えず貢献してきた企業だ。
(画像:ケージーエムWEBサイト)
東京と茨城に支店を置き、土木、建築、リニューアル・メンテナンス、そして管理の各部門で事業に取り組んでいる。
2023年にはR4大利根管内堤防強化関連整備工事で難工事表彰、R4荒川左岸大間地区自然再生工事では建設業担い手確保・育成貢献工事及び優秀技術者表彰など、多数の受賞歴を誇る。
1967年に総合建設業を営む川村建設として創立されたジンワは、通信用トンネルである「とう道」の築造工事を中心に手がけてきた。
2003年頃にとう道の多くが完成したことから、現在では保守や点検、メンテナンスなどを中心に行なっている。
(画像:ジンワWEBサイト)
通信キャリアの携帯電話基地局鉄塔構築工事、電線共同溝工事も行っており、事業の6割近くが電気通信などのインフラ整備が占める企業だ。
また、本社を置く埼玉県戸田市、支店を置く東京都内を中心に、上下水道や道路工事など、公共工事の元請けも多数行っている。
9. カタヤマ
埼玉県さいたま市に本社を置くカタヤマは、1937年に創業、1957年に法人化し、土木・建築工事を専門として事業を展開している。
上下水道工事、河川工事、道路工事、建築工事などに加え、品質の高いスポーツ施設工事を得意としていることが特徴。
(画像:カタヤマWEBサイト)
埼玉スタジアムや大宮公園野球場の客席改修工事、埼玉県浦和競馬組合野田きゅう舎での工事などのほか、埼玉県内で多数のフットサル場を建設している。
2025年には、大宮工業高校情報科実習棟新築ほか工事、芝川第6処理分区下水道工事などを受注しており、今後の事業拡大が注目される企業だ。
10. 高橋土建
1954年に土木請負業を開始した高橋土建は、法人化を経て現在まで、豊かな地域環境を築き引き継ぐための建設事業に取り組んできた。
2025年には、国土交通省から受注した埼玉県鴻巣市のR5国道17号上尾道路箕田地区改良工事、川越市から受注した市道3571号線改良工事などを竣工させている。
(画像:高橋土建WEBサイトより)
ドローン撮影した竣工現場の映像をSNSで発信したり、新卒、キャリア採用に加え、学生のインターンシップ受け入れを行うなど、建設業を盛り上げるためのチャレンジにも積極的な企業だ。
1961年に埼玉県加須市で創業したサイレキ建設工業は、土木工事、道路工事を主軸とした建設会社だ。
橋の架け替え、圏央道などの高架新設工事、道路舗装の再生工事、上下水道の築造とリニューアル工事、農業用水路整備工事など、幅広い工事を手掛けている。
(画像:サイレキ建設工業WEBサイト)
「現地・現物・現実」の三現主義をもとに、施工中の現場の安全を見て回る「社長パトロール」という取り組みが特徴的だ。
また、環境法令の順守や、騒音・振動の低減を最優先課題として対策しているほか、整備したインフラ設備において自然災害後の異常の早期発見に努めるなど、暮らしを支える企業として地域貢献にも重きを置いている。
埼玉県川越市を拠点に、道路、河川、上下水道工事を通して、災害に強いまちづくりに取り組んでいるのは東興業だ。
1965年に近藤建設として個人営業をスタートし、1972年には株式会社東興業として土木・舗装工事業の許可を取得した。
(画像:東興業WEBサイト)
高い技術力で地域の発展に貢献していることが評価され、川越市優秀建設工事表彰などの表彰を多数受けている。
また、埼玉県シニア活躍推進宣言企業や多様な働き方実践企業などの認定を受けているほか、2021年にはパートナーシップ構築宣言を登録するなど、社員の働きやすい環境づくりにも力を注いでいる企業だ。
埼玉県熊谷市で土木、建築、そして介護事業を展開する大和建設。1972年の創業から2022年で50周年を迎えた。
会社のウェブサイトには「地元紹介」のページを設け、魅力のPRとともに熊谷に住む人を歓迎するメッセージを発信するなど、地元密着の企業として、事業以外の面でも貢献を続けている企業だ。
(画像:大和建設WEBサイト)
土木工事では、圏央道川島I.C改良工事、堰幹線用水路工事、調整池築造工事など、官公庁からの受注によって幅広い工事を手がけている。
建設工事では、埼玉県内の中学校内部改修工事、関東農政局外壁改修、さいたま水族館庭池など、熊谷市を中心として多数の実績を持つ。
丸和工業は、埼玉県の県央部北本市に本社を置く総合建築業として、土木工事、建築工事、その付帯工事の請負・企画・設計・施工管理を行っている。
1964年に創業し、1970年には鉄骨工事業から総合建築請負業へと事業を拡大している。2018年には東京支店を開設するなど、創業から留まることなく発展を続けている企業だ。
(画像:丸和工業WEBサイト)
特に建築工事の施工実績は幅広く、公共施設では北本消防署庁舎、鴻巣市花と音楽の館かわさと「花久の里」、嵐山町北部交流センターなどがある。
そのほか幼稚園・保育園、医療・福祉施設、店舗や工場、住宅、事務所などを手がけている。
1970年に創業した昭和工業は、埼玉県内を中心に、建設業、産業廃棄物収集運搬業、観光事業を行っている。
建設業としては、土木工事、とび土工工事、しゅんせつ工事、舗装工事、水道施設工事を手がけており、埼玉県内各所の道路舗装工事、埼玉スタジアム2002公園誘導路改修工事など、公共工事で多数の実績を築いている。
(画像:昭和工業WEBサイト)
従業員募集にあたっては、土木施工管理職のキャリアパスをウェブサイトで公開しており、入社から20年目まで、出来高・品質管理、原価管理、工程管理、安全管理の各業務で具体的にどのような作業を行うのか、取得できる資格やスキルを知って応募を検討できる環境を整えている。
そんな埼玉県の県土整備政策課は、建設DX推進担当を置き、DXへの取り組みを加速させている。
工事立ち会いや業務委託の打ち合わせでの遠隔臨場、遠隔検査を2024年10月から導入し、さらに、2025年4月1日以降に県土整備部と都市整備部が公告する発注案件については、オンライン電子納品ができる体制を本格スタートさせている。
情報共有システムを整備したことによって、着手から工事、納品業務まで、一貫して電子データでやり取りできるようになった。
また、担い手の高齢化や若手の確保・育成を目的に、建設工事現場での週休2日制定着を目指したモデル工事を実施したり、建設キャリアアップシステム(CCUS)を導入するなど、土木・建設業界を高い技術と職場環境で維持するための県をあげた試みが目立つ。
本記事では、そんな埼玉県の総合土木・建設業界をリードする15社を紹介する。
各社の歴史、特徴的な技術、代表的なプロジェクト、そして最新の取り組みなどを詳しく見ていこう。
1. 古都建設
1914年に古郡工務所として創業した古郡建設は、埼玉県深谷市に本社を置き、総合建設業を主軸に事業を展開している。
埼玉の土木・建設業界でトップを走る企業のひとつであり、工事以外の取り組みにも特徴がある。例えば、デザインマネジメント部を置き、ウェブサイトやSNSでの情報発信にも力を入れている。

また、2021年に本社内の運動施設をトレーニングルーム「A13 PARK」としてリニューアルしたり、「地域の中で身近に役立てることは?」という発想から、道路のゴミ拾いや緑化を行う「道路の里親活動」などを実施している。
そうした取り組みを他社に紹介し、情報交換を行うため、ブランディング視察・会社見学を随時受け入れている。
工事については、近年も国土交通省の「工事成績優秀企業局長認定」、土木事業では8 期連続で「工事成績優秀企業局長認定」を取得するなど、高い評価を受けている。
近年の代表的な施工事例としては、深谷市新庁舎建設第二期工事、こども動物自然公園野外ステージテント設置工事などがあり、官公庁から民間、大規模建設から店舗や福祉施設、事業所まで、幅広く手がけている。
2. 金杉建設
金杉建設は、埼玉県東部を拠点として公共工事を行う総合建設会社だ。
1950年の設立以来、河川、道路、橋梁、上下水道、耐震補強工事など、土木工事全般をフィールドとして、高い技術力で地域の暮らしと産業を支える環境整備に貢献してきた。

ICT建機の保有、オペレーション、データ作成・分析、施工管理まで自社内で完結できる体制をいち早く構築しており、i-Constructionへの取り組みで業界をリードする企業のひとつといえる。2024年には、埼玉県DX推進支援ネットワークに先進的な取組事例として紹介されている。
東京都内でも多数の工事を手がけており、国土交通省江戸川河川事務所が、最新の建設技術を活用する「江戸川DXプロジェクト」をスタートさせた際には、施工する現場内でICT建機を駆使し、「江戸川DX START」のメッセージを河川敷に描いたことでも話題を呼んでいる。
3. 田中工業
1963年に田中土建として創業し、1969年に法人化した田中建設は、埼玉北部西部エリアを拠点に土木・建築工事を請負っている総合建設業者だ。
建築事業、土木事業、不動産事業、エネルギー事業の4本柱で事業を展開している。

建築事業では、マンション集合住宅、学校教育施設、公共庁舎、店舗事務所倉庫、福祉医療施設、戸建住宅まで幅広く手がけている。施工実績には、UR団地、小学校、公民館などが数多く見られる。
土木事業では、道路、造成、上下水道、河川砂防、橋梁などの工事を行なっている。
また、2016年には工場改修工事の専門窓口を立ち上げ、総合建設業者の強みを活かして建物の長寿命化へのニーズに応えている。
4. 島田建設工業
1905年の創業から100年以上の歴史を持つ島田建設工業は、埼玉県を代表する老舗企業だ。
埼玉県を中心としつつ、東京都北区にも支店を構えており、幅広く道路や橋梁、上下水道、河川といったインフラの整備事業を行っている。

国土交通省、埼玉県、埼玉県内各市町村を主な発注先として、優秀工事施工業者などとして数多くの表彰歴を誇る。
例えば、赤山歴史自然公園水路付替工事では、現場が湿地帯であるという課題に対し、既設の水路をBOXカルバート(箱型のコンクリート構造物)に付替して造成工事を行うなど、現場ごとに高い技術力で最適解を導き出して工事に取り組んでいる。
また、辿ってきた歴史を漫画と写真で紹介するパンフレットを制作したり、若手社員のインタビューを新卒採用サイトに掲載するなど、新たな人材確保にも力を注いでいる。
5. 和光建設
埼玉県さいたま市を拠点とする和光建設は、1946年に創業した総合建設会社だ。
民間工事から公共工事まで幅広く手がけており、設計・工事・不動産開発室の3部門の連携力を武器に、設計から施工・アフターサービスまで一貫したサポートを提供している。

建築部門では、商用ビル、工場、幼稚園や老人介護施設、病院、寺院などを手がける。土木部門では、橋梁工事、河川改修、幹線道路、上下水道関連施設などの社会インフラを多数施工してきた。
施工実績として、初めてICT施工を導入した埼玉県の大和田特定土地区画整理事業小学校用地整地工事、そのほか鴻巣市立中学校給食センター新築工事などがある。
6. 岩堀建設
1945年に創業、3年後に法人化した岩堀建設は、「生楽以業 ~仕事を通じて楽しく生きる〜」を社訓とする企業だ。
創業以来、観光地としても歴史ある埼玉県川越市に拠点を置き、地元に根付いた工事を手がけてきた。

近年では、新たな試みとして、CM(Construction Management)事業にも取り組んでいる。
建設発注者から準委任を受けた管理者が、土地の有効活用などの相談から、企画、基本設計、施工業者選定、施工、完成後の運営まで、中立的に全体を調整する事業で、これまでに病院の増築で管理者の役割を担ってプロジェクトを完走させている。
近年の代表的な施工実績としては、初めて伝統技法に取り組んだ川越市指定文化財(旧栄養食配給所)の復元、川口駅前のランドマーク「U-PLACE」の施工などがある。
埼玉県、群馬県でホテル経営も行うなど、建設にとどまらず、広くまちづくりに関わっていることも特徴だ。
7. ケージーエム
埼玉県熊谷市に本社を置くケージーエムは、1868年の個人創業ののち、1954年には株式会社小林組に、そして2005年に現在の社名へと移り変わってきた。
明治時代の荒川大橋修築工事を手がけるなど、150年を超える歴史の中で地域の発展に絶えず貢献してきた企業だ。

東京と茨城に支店を置き、土木、建築、リニューアル・メンテナンス、そして管理の各部門で事業に取り組んでいる。
2023年にはR4大利根管内堤防強化関連整備工事で難工事表彰、R4荒川左岸大間地区自然再生工事では建設業担い手確保・育成貢献工事及び優秀技術者表彰など、多数の受賞歴を誇る。
8. ジンワ
1967年に総合建設業を営む川村建設として創立されたジンワは、通信用トンネルである「とう道」の築造工事を中心に手がけてきた。
2003年頃にとう道の多くが完成したことから、現在では保守や点検、メンテナンスなどを中心に行なっている。

通信キャリアの携帯電話基地局鉄塔構築工事、電線共同溝工事も行っており、事業の6割近くが電気通信などのインフラ整備が占める企業だ。
また、本社を置く埼玉県戸田市、支店を置く東京都内を中心に、上下水道や道路工事など、公共工事の元請けも多数行っている。
9. カタヤマ
埼玉県さいたま市に本社を置くカタヤマは、1937年に創業、1957年に法人化し、土木・建築工事を専門として事業を展開している。上下水道工事、河川工事、道路工事、建築工事などに加え、品質の高いスポーツ施設工事を得意としていることが特徴。

埼玉スタジアムや大宮公園野球場の客席改修工事、埼玉県浦和競馬組合野田きゅう舎での工事などのほか、埼玉県内で多数のフットサル場を建設している。
2025年には、大宮工業高校情報科実習棟新築ほか工事、芝川第6処理分区下水道工事などを受注しており、今後の事業拡大が注目される企業だ。
10. 高橋土建
1954年に土木請負業を開始した高橋土建は、法人化を経て現在まで、豊かな地域環境を築き引き継ぐための建設事業に取り組んできた。2025年には、国土交通省から受注した埼玉県鴻巣市のR5国道17号上尾道路箕田地区改良工事、川越市から受注した市道3571号線改良工事などを竣工させている。

ドローン撮影した竣工現場の映像をSNSで発信したり、新卒、キャリア採用に加え、学生のインターンシップ受け入れを行うなど、建設業を盛り上げるためのチャレンジにも積極的な企業だ。
11. サイレキ建設工業
1961年に埼玉県加須市で創業したサイレキ建設工業は、土木工事、道路工事を主軸とした建設会社だ。
橋の架け替え、圏央道などの高架新設工事、道路舗装の再生工事、上下水道の築造とリニューアル工事、農業用水路整備工事など、幅広い工事を手掛けている。

「現地・現物・現実」の三現主義をもとに、施工中の現場の安全を見て回る「社長パトロール」という取り組みが特徴的だ。
また、環境法令の順守や、騒音・振動の低減を最優先課題として対策しているほか、整備したインフラ設備において自然災害後の異常の早期発見に努めるなど、暮らしを支える企業として地域貢献にも重きを置いている。
12. 東興業
埼玉県川越市を拠点に、道路、河川、上下水道工事を通して、災害に強いまちづくりに取り組んでいるのは東興業だ。
1965年に近藤建設として個人営業をスタートし、1972年には株式会社東興業として土木・舗装工事業の許可を取得した。

高い技術力で地域の発展に貢献していることが評価され、川越市優秀建設工事表彰などの表彰を多数受けている。
また、埼玉県シニア活躍推進宣言企業や多様な働き方実践企業などの認定を受けているほか、2021年にはパートナーシップ構築宣言を登録するなど、社員の働きやすい環境づくりにも力を注いでいる企業だ。
13. 大和建設
埼玉県熊谷市で土木、建築、そして介護事業を展開する大和建設。1972年の創業から2022年で50周年を迎えた。
会社のウェブサイトには「地元紹介」のページを設け、魅力のPRとともに熊谷に住む人を歓迎するメッセージを発信するなど、地元密着の企業として、事業以外の面でも貢献を続けている企業だ。

土木工事では、圏央道川島I.C改良工事、堰幹線用水路工事、調整池築造工事など、官公庁からの受注によって幅広い工事を手がけている。
建設工事では、埼玉県内の中学校内部改修工事、関東農政局外壁改修、さいたま水族館庭池など、熊谷市を中心として多数の実績を持つ。
14. 丸和工業
丸和工業は、埼玉県の県央部北本市に本社を置く総合建築業として、土木工事、建築工事、その付帯工事の請負・企画・設計・施工管理を行っている。
1964年に創業し、1970年には鉄骨工事業から総合建築請負業へと事業を拡大している。2018年には東京支店を開設するなど、創業から留まることなく発展を続けている企業だ。

特に建築工事の施工実績は幅広く、公共施設では北本消防署庁舎、鴻巣市花と音楽の館かわさと「花久の里」、嵐山町北部交流センターなどがある。
そのほか幼稚園・保育園、医療・福祉施設、店舗や工場、住宅、事務所などを手がけている。
15. 昭和工業
1970年に創業した昭和工業は、埼玉県内を中心に、建設業、産業廃棄物収集運搬業、観光事業を行っている。
建設業としては、土木工事、とび土工工事、しゅんせつ工事、舗装工事、水道施設工事を手がけており、埼玉県内各所の道路舗装工事、埼玉スタジアム2002公園誘導路改修工事など、公共工事で多数の実績を築いている。

従業員募集にあたっては、土木施工管理職のキャリアパスをウェブサイトで公開しており、入社から20年目まで、出来高・品質管理、原価管理、工程管理、安全管理の各業務で具体的にどのような作業を行うのか、取得できる資格やスキルを知って応募を検討できる環境を整えている。
WRITTEN by

國廣 愛佳
創業支援や地域活性を行う都内のまちづくり会社に勤務後、2019年よりフリーランス。紙面やwebサイトの編集、インタビューやコピーライティングなどの執筆を中心に、ジャンルを問わず活動。四国にある築100年の実家をどう生かすかが長年の悩み。